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ストコフスキーのシベリウス「交響曲第1、2番」のモノラル録音

懲りずにクラシック音楽オタク話をしましょう。ストコフスキー指揮のシベリウスの交響曲については、かつて記事にしたことがあります。1934年の交響曲第4番の話です。今回は、ストコフスキーが壮年期に録音したシベリウスの初期の交響曲である、第1番、第2番を組み合わせたカーラのCDからです。これ、ものすごい演奏なのですよ!とくに第1番!

このCDを買ったのはいつか。2014年だろうと思います。もうCDという時代になって久しかったころです。そのころ、あいついで3組のCDが手元に届き、3組とも大ヒットであったことがあったのです。その1枚なのです。あとは、同じくストコフスキーのカーラのCDで、ヴォーン・ウィリアムズの6番とか、モーツァルトの「ハフナー」などが入ったやつで、もう1組が、レ・ヴァン・フランセのピアノと木管のための室内楽3枚組でした。すべて大ヒット!どうして2014年だろうと言えるのかと言いますと、その「ハフナー」というのが、私が当時、顧問をしていた学校オケが「ハフナー」を取り上げるタイミングで購入したからです。しかし、ハフナーが取り上げられたのは確か2013年で、なぜかこのCDはネット通販でさっぱり届かず、購入希望を出してから1年後くらいに急に購入できたからです。だからたぶん2014年です。

2014年というと、もう10年前ではありますが、私の長いCD歴、それも、ストコフスキーにハマって(いまでもハマっていますが)、1994年から2006年までの学生時代12年間で買ったものが多いからです。これは仕事をするようになって、忙しくなってから買ったCDです。にもかかわらず愛聴盤なのは、とりもなおさずいい演奏だからです。

シベリウスの1番は、学生時代にやりました。正確にはやっていません。というのは、そのオケで、シベ1をやることになったのが1998年ですが、木管は倍管にしてアシをつけるという話だったのです。アシだったら乗る予定でした。スコアも買ったものです。いまでもその古いスコアは本棚にあります。しかし、結果としてアシを付ける案はなくなったので、乗っていないのです。練習でちょっと吹いたことはありました。それはともかく、そのときに、シベ1のCDを二種類、買ったのでした。ひとつが外山雄三指揮神奈川フィルで、もうひとつがストコフスキー指揮ナショナルフィルでした。後者はストコフスキーのステレオ再録音です。しかし、いま考えるとその演奏はいまいちでした。ストコフスキーが公けの場から引退して、レコーディング・アーティストとなってからの、最晩年の録音ですが、そのころのストコフスキーは、出来不出来の差が激しくなっていました。いいものはいいのですが、いまいちなものもあります。それがずっと続いていたのです。ところがこの2014年になって買ったストコフスキーのモノラル録音のシベ1を聴いてびっくり!めちゃくちゃいい演奏ではないですか!ストコフスキーの壮年期のものすごさが余すところなく出ています!いまも、パソコンに取り入れて、授業前の時間調整音楽に使用しています。このストコフスキーのモノラルのシベ1。

ストコフスキーは、シベリウスは若いころから得意にしました。シベリウスがまだ作曲をしていたころから取り上げており、交響曲第5、6、7番はアメリカ初演しています。(5番、6番は録音が残らず。残念です。「大地の賛歌」というのもアメリカ初演していますが、やはり録音は残らず。)先述の4番は、世界初録音です。そのストコフスキーの満を持しての(?)初期交響曲の録音なのです。1950年7月録音。彼の交響楽団。ニューヨークにて。とにかく、オケのやる気の高さ、圧倒的な燃焼度、どこをとっても切れない緊張感、すべてがすばらしいのです!これはお宝ですね。CDには、シベリウス(まだ生きていた)本人からの感謝の手紙が載っています。英語でタイプされた手紙。シベリウスも本望ではないでしょうか。

私は、ますます演奏家の偉大さを思うようになりました。つまらない例を挙げますが、私は林家木久蔵さんの落語を生で聴いたことがあります。初代の木久蔵さんです。木久蔵一門会でした。その日のプログラムも残っており、日記も残っており、記憶も鮮明なので、いつの日か、ブログにいたしましょう。その日、木久蔵さんが話したネタのなかで、つぎのようなものがありました。劇の裏方の話らしいです。「どうしてこんなに暗いのですか?」「クライマックス(暗いマックス)」。こう私が書いても言ってもなにもおもしろくないと思うのですが、これを木久蔵さんが言ったときは爆笑でした。そういえば本日は七草がゆの日ですね。それでせっかくだから書きますと、東京を去る直前、仲間と寄席に行きました。「昭和のいるこいる」が出て来て、おかゆにニンニクとかニラとか臭いものをたくさん入れて、春のなな「くさ」と言ったときも大爆笑となりました。これも私が言ってもなにもおもしろくないものです。いくらいい曲を作曲しても、それが生きるのは、いい演奏かがいてこそです。どんないい歌でも、へたな人が歌ったらダメですよね。このシベ1は、もちろん作曲したシベリウスもすばらしいですが、ストコフスキーおよびオケの皆さんもすばらしいです。録音なさった皆さん、CD化したカーラの皆さんにも感謝ですね。

ストコフスキーは先述の通り、1976年にシベ1のステレオ再録音をしました。そのほか、ヘルシンキ市交響楽団でのライブ録音も残りましたが、それは録音状態が悪くて聴くにたえないものです。これがストコフスキーのシベ1のすべての録音ではないかと。

これに比べると、シベ2のほうは、すごくいい演奏ですけど、ちょっと音楽的に厳しすぎるような…。1954年9月の、NBC交響楽団の、ニューヨークでの収録。ストコフスキー指揮NBC交響楽団でハズレはないくらいなのですが、ちょっと音楽的に厳しい。ストコフスキーのシベ2なら、1964年のBBC交響楽団ライブか、同じく1964年のフィラデルフィア管弦楽団ライブが穏やかな出来で、聴くにはそちらのほうが心地よいと思っております。これでストコフスキーのシベ2のすべての録音ではないかと。

以上です。ちょっとこのシベ1はすごい。何度聴いてもすごい。その2014年のタイミングで入手したあと2組もいずれ記事を書きたいですね。本日は以上です!

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