70.糖尿病と便秘
あなたは今何歳ですか? 便秘は厚生労働省の調査(2016年)によると、男性は約40人に1人、女性では約20人に1人が便秘の症状の自覚があるそうです。便秘は加齢によって増えてきて、1000人当たり30代では男9.0人・女35.5人に対し、50代では男13.8人・女38.3人、70代では男67.1人・女82.2人、80代ではさらに増えます。
ところで糖尿病は血糖値が高くなるだけなのに便秘に何の関係があるの? と思われたかもしれませんね。実は発症初期はそれほどありませんが、ある程度進行してくると関係してきます。
というのは便が肛門近くまで運ばれてくるとセンサーによって脳へ信号が送られ、便意を感じるようになっています。この脳へ信号が送られるときに他の神経系の症状と同じように便意信号が正常に伝わらなかったり、ストレスや寝不足で自律神経が障害されると胃腸運動に異常が起きて排便のコントロールがうまくいかず、便秘だけでなく下痢も起きやすくなります。その割合は、糖尿病と診断された30~50%の方が、便秘を感じているそうです。
では便秘になった時どんな対策をしたら良いのでしょうか? よく言われるのが、便を柔らかくする水溶性植物繊維と便の嵩を増やす不溶性植物繊維、蠕動運動を活発にする運動などがあります。
しかしこの方法は、便秘で苦しんでいるときに直ぐには解消が難しいのが現実です。では何か良い方法は?
先週ですが、NHKトリセツ番組でよい方法を放映していましたので紹介します。
「キウイフルーツ」をそのまま食べると何日も出ていなかったのがスルーと出る人が多いようです。1個/日でダメなら2~3個でもOK。ただこの方法は続けるとそれなりのお金がかかるので、無料で出来る方法として、便意がなくても1日に2回朝と夕に便座に座るだけで便座に座るだけ、3週間ほど続けるとすんなり出るようになることが紹介されていました。
詳しくは、NHKトリセツ 便秘(2024.2.22)で検索してください。
いずれにしろ、便秘は腸内環境を悪化させて様々な症状や病気の原因になるので、合併症の予防にも便秘をしない生活が望まれます。
腸内環境の悪化は悪玉菌が増えて、アンモニア、硫化水素、インドール、スカトール、メタン、活性酸素などの有害物質を発生させ、大腸がん・直腸がんを誘発する発がん物質や促進物質だけではありません。
便秘が引き起こす免疫力の低下は、腸が免疫力の70%を支配しているので、インフルエンザ・コロナなどの空気感染、食中毒、切り傷、刺し傷などの発症や悪化に繋がります。
また、腸内環境が悪くなると、セロトニンやドーパミンを効率よく作れなくなるので、イライラしたり、うつ病にも繋がります。
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