【読書感想文】レコード好きにはたまらないであろう漫画「音盤紀行」について少し語る
最近面白い漫画を見つけた。「音盤紀行」(作者:毛塚 了一郎 氏)だ。なんともアナログレコード好きにはたまらない内容だったので、今回は幸運にもこの記事を見つけてくれたあなたをレコード沼に引きずり込むべく、本誌について少し語ろうと思う。
この漫画なのだが、「レコード」をテーマにしたオムニバス方式の短編集で、その舞台も現代の日本、西側の娯楽が禁止された国、近未来のダイナーなど様々である。ただ、どの話に出てくる人物も共通して「音楽」を愛しており、また「レコード」というアナログな媒体に対する愛着も見せている点が面白い。まさに作者のレコード愛を様々な形で表現した1冊、と言ってもいいと思う。それこそ、休日の朝にコーヒーでも飲みながら、お気に入りのレコードを流しつつ読む…なんて楽しみ方が最適かもしれない、そんなふうに思わせる名著であった。
ただ、筆者はうっかり…ついいつものクセで「電子書籍版」で本書を購入してしまった。今思えばアナログレコードについて語る漫画なのだから、あえて紙の本で読んだ方が、より雰囲気を味わえたかもしれない…今度紙の本でも買い直そう。
余談なのだが、どうもこの漫画の作者さんに筆者は昔出会っているのではないかと思うものがあった。絵柄や作風から、たぶんだいぶ前に別名で東方の同人誌を描かれていたのでは…と感じるのだが(当時の本をいくつか持っているがいずれも雰囲気が良かったのを覚えている)、もしかしたらその作者さんがプロになって名前も一新して再び出会えたのでは…と思うと感慨深い。
ちなみにこの作者の毛塚 了一郎さん、比較的最近、「音街レコード」という商業デビュー前に書き溜めていた作品をまとめた本を2冊リリースしている。これがまた良くて、何が良いかというとまず「本が7インチレコードと同じくらいのサイズ」なのだ。なかなか粋である。
また、2冊リリースするにあたり「A面」「B面」と表記しているのもなかなか心憎い演出だと思う。そうだよね、レコードもA面とB面で1枚のレコードだもんね。
この2冊は元々が同人誌らしく、音街紀行以上にディープでニッチなものを感じさせる部分もあるが、そのあたりも含めてレコード好きにはたまらないものがあるし、あるいはレコードに興味がある人が「実際にレコードを買ってみようかな」と思うきっかけになるかもしれない、そう思わせるものがあった。
以上、最近読んでバシっと刺さった「毛塚 了一郎」さんの漫画「音盤紀行」と「音街レコード」のダイレクトマーケティングという名の感想文でした。個人的にはどれも紙の本で購入してみてほしい。
どっとはらい。
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