鯨魚取り~いさなとり~
あの日、大あにさまは帰りませんでした
小あにさまは、海を見つめたままです
海など涸れてしまえばいいものを
さすれば迎えに駆け出すものを
大あにさまはいさなに愛されていたのです
大きないさなの大きな背中に、
あにさまは暮らしていると思うのです
鯨魚取り~いさなとり~
枕詞
いさな(=鯨)を捕る場所の意から、「海」「浜」などにかかる。
【鯨魚取り海や死にする山や死にする死ぬれこそ海は潮干て山は枯れすれ】
~鯨を捕る海は死にますか、山は死にますか。
死ぬのです。だから、海は干上がり、山は枯れるのです。