三十(さとう)

文字あそびをして、短文を書きます。 完全独学自己流です。書道家ではありません。 BLと…

三十(さとう)

文字あそびをして、短文を書きます。 完全独学自己流です。書道家ではありません。 BLと観劇と刀剣乱舞(江!)が好き。 *文字あそび作品・掌編作品・画像の無断利用及び転載はお控えください* *Repost is prohibited*

最近の記事

叢雲~そううん~

ほら、見て 雲たちがあんなにも集まって なにをしているのかしら どんなお話をしているのかしら わたしも仲間に入れてくれないかしら ねぇ、姐さま わたしをぽーんと放ってちょうだい 大丈夫よ あんなにも集まっているのだもの 落ちやしないわ ね、 文字あそび 叢雲~そううん~ 群がり集まる雲。

    • 尭風舜雨~ぎょうふうしゅんう~

      良き年でございましたな 残り二月も何事もなく過ごせましょうな えぇ、えぇ、あとは冬支度を滞りなく 赤子が凍えぬように 童児が飢えぬように 新たな年と新たな春を 心安く迎えられるように さてさて、尭風舜雨の仕上げと参りましょうか 我らの血肉を礎に 文字あそび 尭風舜雨~ぎょうふうしゅんう~ 伝説的な古代中国の聖天子、尭・舜の恩徳が国中に行き渡ったのを、風雨の恵みにたとえた言葉。 天下太平のさま。

      • 日華~にっか~

        青い空など存在するのでしょうか 空はぼんやりと雲に覆われているものでしょう つゆ草で染めたような空など おとぎ話の中だけのもの それでも、 あの雲を透かして輝く華は知っています 頬に感じるぬくもりも 水面に映る銀の輪も 激しさではなく優しさでこの地を守る華ならば 文字あそび 日華~にっか~ 太陽。日光。

        • 黄鐘~こうしょう~

          黄鐘と申します 全ての音律の基となるのがわたくし そして、古の月のめぐりは十一月から数えるもの 故に、 基となる黄鐘の名で呼ばれまする 長い夜が明け、陽が昇り輝きを取り戻す刻 今は昔の物語ではございますが 黄金にきらめく鐘の名に ふさわしいではありませぬか 文字あそび 黄鐘~こうしょう~ 陰暦11月の異称。 中国音楽の十二律を十二か月に当てたもの。 旧暦の月は、冬至を含む月を必ず十一月として数え始め、以降十二月、一月、二月…となるため、基音となる黄鐘が十一月となる。

        叢雲~そううん~

          南蛮煙管~なんばんぎせる~

          なんとも愚かではありませぬか こうやって俯いて憂い顔をして見せれば ほら、ころりと騙されてくれるのですよ あとはいつも通り 申し訳なさそうに悲しそうに 微笑んでいればそれでおしまい 全てをわたしに明け渡して 満たされた空っぽのまま往生されるのですよ 文字あそび 南蛮煙管~なんばんぎせる~ イネ科植物の根に寄生し、秋に薄赤紫色のつぼ型の花を横向きにつける。 寄主の根から吸収した栄養分に依存するため、寄主は死に至ることもある。 花が俯いて咲くようすが、物思いをしている人を連想さ

          南蛮煙管~なんばんぎせる~

          浅酌低唱~せんしゃくていしょう~

          ここに座って一節付き合ってくれればいいさ あんた、そんなに強くないんだからさ 無理に飲むことはないさ おれがあんたの歌声を気に入ってるってだけさ で、 あんたはおれの飲みっぷりを気に入ってるだろ 互いの気に入りを楽しむってのもさ いいもんだろ 文字あそび 浅酌低唱~せんしゃくていしょう~ 静かに酒を味わい、小声で歌を口ずさむこと。 また、そのような酒宴。 上品な酒席のたとえ。 ほろ酔い気分。

          浅酌低唱~せんしゃくていしょう~

          小春日和~こはるびより~

          あんたもたいへんだな 厳しい季節を迎える前のほんのひと時 恵みの小春を楽しむことも許されないのかい なぁ、誰にも知らせなきゃ構いやしないだろ ほら、ちょっとここへきて 目を閉じてみなよ な、俺が連れて行ってやるからさ 文字あそび 小春日和~こはるびより~ 晩秋から初冬のころの暖かくて穏やかな天気のこと。 ●写真:むにさん https://twitter.com/160muni911

          小春日和~こはるびより~

          久雨~きゅうう~

          雨、止みそうもありませんねぇ 私はかまわないんですねどね あなたは… ね、私と二人じゃ気づまりでしょう かといって、この雨ではねぇ えぇ、私はかまわないのですよ あとはあなた次第 いやですよ、ご自分で決めてください あなたの気持ちはあなたのものですから 文字あそび 久雨~きゅうう~ 長い時間、降っている雨。

          久雨~きゅうう~

          赤気~せっき~

          吉兆か凶兆かなんて 気の持ちようひとつだ もしくは誰の口から出たか、だな でな、おもしろいことに、だ 吉兆は おエライ権威のある人の口から出れば信じられ 凶兆は そこらへんの民草の口から広がって行くんだよ さてと、おエライ権威あるお前さんは これをどうするんだい 文字あそび 赤気~せっき~ 赤く感じられる雲の動き。 彗星やオーロラをさす場合もある。

          赤気~せっき~

          秋陽~しゅうよう~

          高い空のお天道様も好きだけど こんなふうに 里近くまで降りて来なさるお天道様はもっと好き 茜色の指先で頬を撫でていなさるみたいだもの 触れたさきから茜色に染まって お天道様の一部になれたような気がするの いつか芯まで染まったら きっと連れて行ってくださるの 文字あそび 秋陽~しゅうよう~ 秋の太陽やその光。

          秋陽~しゅうよう~

          鳥兜~とりかぶと~

          この花を贈ろう 青紫の美しい花を この花を贈ろう 変わらずに僕を気遣ってくれる君に この花を贈ろう 根に隠した秘密を噯にも出さない君に この花を贈ろう 君の心の裏側のような花を この花を贈ろう 君と僕の行きつく先に咲く花を 文字あそび 鳥兜~とりかぶと~ 山野に生え、秋、烏帽子に似た形の青紫色の花を総状につける。 花の形に特徴があり、舞楽に用いる兜や鳥の頭に似ていることからの命名。 根に猛毒があり、また、特異な花姿から、花言葉は「人間嫌い」「敵意」。

          鳥兜~とりかぶと~

          片降~かたぶり~

          片降があるなら片晴だってあるだろうよ 要するに、長くは続かないってことだ 今はこの世の不運を集めたような顔しててもさ いつ何時、くるりとひっくり返って あらゆる幸運が集まってくるかわからないだろ で、その裏では 誰かが不運を集めたような顔になってるのさ 文字あそび 片降~かたぶり~ ある場所にのみ降り、他方は晴れているような雨。

          片降~かたぶり~

          瑟々~しつしつ~

           瑟々と  瑟々と  瑟々と 何度重ねてもこの身をさいなむ風の音を 遠いあなたに伝えることはできはしない  瑟々と  瑟々と  瑟々と 何度呼びかけてもこの声を運ぶ風の音は 遠いあなたに届くことはないのだろう  瑟々と 私の心にはこんなにも響いているのに 文字あそび 瑟々~しつしつ~ 寂しく吹き過ぎる風の音の形容。 あるいは厳しい風の音。

          瑟々~しつしつ~

          千思万考~せんしばんこう~

          今でもわからないのです あの時選んだ道は正しかったのか …いえ、正しくはなくとも せめて、わたしが本当に望んだのか、と 誰かの期待と思惑に 流されてしまったのではないかと 何度思い直し考え直しても それでもわからないのです 文字あそび 千思万考~せんしばんこう~ 思いをあれこれ巡らせること。 一つのことを何度も繰り返し検討すること。

          千思万考~せんしばんこう~

          十重二十重~とえはたえ~

          これはあの時のわたくし こちらは…ほら、あの時のわたくしですね あぁ、そちらは…覚えておいででしょう 忘れたふりなんて無粋ですわ こうやって全てのわたくしを重ねて その上に今のわたくしがございます あなた様はいかがですの 文字あそび 十重二十重~とえはたえ~ 幾重 にも多く重なること。 ●写真:むにさん https://twitter.com/160muni911

          十重二十重~とえはたえ~

          秋雨~あきさめ~

          あぁ、 これは春雨じゃないんだ 風邪をひいてしまう うん、傘が嫌いなのは知ってるよ だからさ、 雨が上がるまでここにいるっていうのはどうだい ほら、ここのところ ゆっくり話していないだろ たまにはいいじゃないか  僕はね、  このまま雨が上がらないことを願っているよ 文字あそび 秋雨~あきさめ~ 秋の冷ややかな雨。

          秋雨~あきさめ~