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羅綺千箱~らきせんばこ~
光は失いました
あの方の他を映すことを咎められましたゆえ
言葉も失いました
今はもう意味をなさぬ音を発するのみです
耳だけは聞こえております
あの方がこの身を誉めそやし
慈しんで下さるのも存じております
さて、この身はわたくしのものなのでしょう
羅綺千箱~らきせんばこ~
意味のない無駄な贅沢。
「羅」は透けて見えるほどに薄い絹織物、「綺」は細やかな文様のある絹織物をさし、美しく高価な布のこと。
高価で美しい絹織物の衣服を、千箱の衣装箱に収まらないほどにあっても、一度に一着しか着ることはできないということから。