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現代の伝統技工を集結した京都迎賓館
「京都迎賓館」は現役の建物
京都御所の敷地内にある「京都迎賓館」をご存じでしょうか?
この建物は、現在も国外からの賓客をもてなす現役の建物です。
というよりも、その目的のために2005年に建築された比較的新しい建物なのです。
平安遷都1200年の節目に京都に和風の迎賓施設を建設してほしいという京都府知事、京都市長、京都商工会議所会頭の連名の要望書から、建設されました。
地上1階、地下1階、敷地面積20,140㎡、建築面積8,000㎡、延床面積16,000㎡の鉄筋コンクリート造の建物です。
そして、東京の迎賓館赤坂離宮が洋風建築の迎賓施設であるのと対をなしています。
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この「桐の間」の写真、畳の真ん中に筋があるのが見えます。
これは畳に使用するイグサの最も良い部分だけ継ぎ足して使うため、真ん中に筋が出来るということなんです。
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ここに置かれている座椅子(たぶん20席ぐらいだったと思う)の背面には蒔絵で「五七の桐」が描かれているが、これが全く同じものが二つとない、すべて、どこか色が違ったりしているそうです。
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京都迎賓館に生きる伝統的技能
そう、ここは宮内庁管轄の京都御所にありながら、内閣府の持ち物なんです。この公式ホームページを見れば、どんな人たちがここで接遇を受けたかもわかります。
この建物に使われている「伝統的技能」についてパンフレットに説明がありました。
・11種類の伝統技能者の技
大工(数寄屋)、左官、建具、表具、畳、かざり金物、漆、きり金、庭園、石造工芸及び竹垣
・館内に14種類の伝統技能
漆、蒔絵、螺鈿、かざり金物、ついき、鋳金、竹工芸、京指物、木象嵌、西陣織、羅織物、京ぬい、京組紐、七宝
正直、聞いてわかるもの、わからないもの、いろいろありますが、日本の伝えていきたい技能であることは理解できます。
「おもてなし」の意味
見学は申し込み制で、時間で区切られて、説明を受けながら見学できるのですが、集合場所で時間がくるまで、伝統技能者のビデオを見ながら待ちます。そのビデオだけでも充分にこの迎賓館の魅力がわかるものです。
たとえば、生け花。玄関を入って、賓客が最初に目にするつきあたり正面に飾られる生け花は、枝の流れ方で次はどちらの方向へ行くのかいざなうように生けるというのです。ということは、当然、帰りは逆方向に生け直すということ。宿泊される場合は、夜のうちに生け直されるそうです。
これぞ、「おもてなし」。
と思ったら、その言葉の意味も説明がありました。
「おもてなし」つまり「表」にはない→だけど「裏」はある。
「裏」で人がいっぱい動いているから「表」はさらっと何もしてないようにみえる。それが本当の「おもてなし」。
うーん、奥が深すぎる。これぞ京都の心意気なのか、何でも心を割って話す私のような大阪人(「こんなにすごいことしてますー!」みたいな:笑)には太刀打ちできないと感じ入りました…。