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Behind Design 「ANTCICADA#3 佇まいを伝えるデザイン ショップカード編」

301のクリエイティブ制作の裏側をお伝えするシリーズ第1弾は、レストラン「ANTCICADA」のクリエイティブについて。「ANTCICADA」は、地球少年として活動する篠原祐太氏を中心とするチームが、昆虫食をはじめとする地球上のあらゆる生き物の可能性を追求するレストラン。今年秋にOPEN予定です。301はこのレストランのVIとコンセプトメイキングを担当しています。

今回は、「ANTCICADA」のクリエイティブを牽引したデザイナーの宮崎悠にインタビューし、コミュニケーションツールとして欠かせないショップカードのデザインについて聞きました。

ーーミーティングでショップカードのデザインを見せている時、篠原さんの目がキラキラしていたのが印象的です。ショップカードの制作にあたり、こだわったポイントを教えてください。

宮崎 ロゴやフォントのコアコンセプトは「虫の美しさを出す」ことだけど、カードなどの実際に人が触れるものについては、少し視点を変えていて。

ショップカードは人と最初にコンタクトをとるためのツールなので、まずレストランである、ということがわかりやすい必要がある。虫を使っている特殊さはあっても、しっかりしたレストランとしての佇まいがあることが大事。特に昆虫食に関しては、現在はやっぱり「ゲテモノ」、「ネタっぽい」などネガティヴイメージが少なからずあるので、「レストランとして本気でやっているんだ」というのがまず伝わることが重要だと思ってる。

ーー確かにショップカードは深みのあるグリーン、文字は金の箔押しで印字されていて、とても昆虫食が中心のお店には見えないです。

宮崎 カードの色は篠原くんと相談して、アースカラーとしてグリーンを使うということになり、気品を出すためにこのような色を使うことになったんだよね。

ーー紙の質も、触るとしっとりしていて、言い表しがたい不思議な感触です。なぜこの紙を選んだのでしょう?

宮崎 この紙は「プライク」という種類。なぜこの紙かというと、紙的な質感や表情があまりなくて、吸い付くようなしっとり感があるのは、どこか生き物っぽくて相性がいいかなと思った。紙として認識されるのではなく、「なにか」の表面だと思ってもらえたらなと。

ーーこのショップカードからどんなコミュニケーションが生まれたら良いなと思いますか?

宮崎 もちろん最初は興味を持ってもらうこと。「虫」を扱う、だけどしっかりとしたコンセプトでやっているという本気度を感じて、関心を持ってもらうことがファーストコンタクトで起こってほしいな。篠原くん自身、バラエティにも出ることができるほどキャラ立ちしているけど、その本質は真面目に、虫とちゃんと向き合っているし、考えているし、愛している。誠実な篠原くんの思いが伝わって欲しいな。

Behind Design 「ANTCICADA」 おわり

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