ショートショート:強すぎる数え歌
転生したら、能力を使ってモンスターを倒すタイプの世界にいた。
困ったことにオレの能力はまだ判明していない。この弱小ギルドから追放されるのも時間の問題だ。
「凡人、あたしの荷物運んでよね!」
魔法使い(高飛車だがおっぱいが大きい)が言って、他のやつらがゲラゲラ笑う。悔しいが仕方ない。
「大変です!モンスターの群れが!」
少し前を歩く地図職人(そもそも地図職人って何だよ)が叫んだ。
「どうするかな…」
僧侶(ヒールしか使えない)が腕を組む。
「こりゃ大群だな、何頭だ?」
戦士(バカ)は既に剣を抜いている。
「1、2、3…、わかんねぇな、おい凡人、数えてみろ」
戦士(バカ)に言われ、オレはモンスターを指さして数えようとしたのだが、
♪~
普通に数えたつもりが、なぜか歌っていた。
「凡人、何ふざけてんだ」
その時、
『うわあ~~』
数えたはしからモンスターが倒れていくではないか!
「も、もしかしてアンタ…」
「凡人、お前まさか…」
これは、オレの能力…!?
(410字)
※フィクションです。
今回も田原にか(たらはかに)様の企画『毎週ショートショートnote』に参加いたしました。こんな漫画があったような、なかったような…。
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