ショートショート:アメリカ製保健室
俺の通う高校は、やたらと『グローバル』を強調している。留学生を受け入れたり、英語の授業に力を入れていたり。
アメリカ製保健室とかいう、わけのわからないものもある。はっきり言って、全然アメリカは関係ない。保健室の端にある本棚に、ずらっと多読の本が並んでるだけなのだ。それを先生たちが勝手に『アメリカ製保健室』と読んでいる。
英語の先生曰く、保健室に行けばアメリカ気分を味わえるんだとか。
…は?
でも、授業をサボって保健室に行っても、英語の本を読んでいるふりをすれば許される気がするから、良いか。
「君、今日も来たのね」
ある日、保健室の先生が声をかけてきた。
「今年度でもう20回目…」
「すんません」
「…そろそろ、あなたも案内してあげる」
「ふぇ?」
先生はおもむろに立ち上がり、本棚を押した。すると、階段が現れたではないか!
先生に続いて階段を降りる。その先にあるのは、なにやらきらびやかな空間…。
ここって、もしかして!
「か、カジノ!?」
(410字)
※フィクションです。
たらはかに(田原にか)様の企画『毎週ショートショートnote』に参加いたしました。
どんでん返しできてます!?!?
英語の多読、懐かしいですね。