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保育①子どもとの絆〜愛着って何?
こんにちは!
今日は少し、私の本業でもある保育のお話をしようと思います。
私がまだカナダの永住権を取得できるかどうかわからなかった頃、もし日本に帰国するなら、大学院に入ろうと考えていました。
保育の分野でとても興味があり、研究してみたいことがあったからです。
皆さん、”愛着”(Attachment)という言葉をご存じでしょうか?
これは発達心理学という分野の専門用語で、イギリスの児童精神医学者であるジョン・ボウルビーによって提唱されたものです。
私はこの言葉を日本の保育学生だった時に初めて知り、保育士の仕事も五年目に入った今、子育てにおいて一番重要なことだと思っています。
・愛着とは‥赤ちゃんと身近な人の間に形成される情緒的なつながり。
のことを言います。ざっくり言ってしまえば、信頼関係ですね!この場合の”身近な人”というのは、大抵の場合、両親のことを指します。
愛着は、生後6か月~2歳の間に形成されるといわれ、その時期を過ぎてしまうと獲得されることはありません。
赤ちゃんって、言葉が出ない代わりに泣くことで色々な要求をしますよね?
例えば、ミルクが欲しい、とか、オムツを替えてほしいとか‥。
そのたびに色々とお世話をしてくれる人、泣いたときに抱いてあやしてくれる人を、赤ちゃんは愛着を形成する対象者とみなします。
愛着関係がしっかり形成されると‥
1.両親と赤ちゃんの間に強い信頼感が生まれ、赤ちゃんが外の世界にも飛び出していくことが出来る!
赤ちゃんは愛着形成する対象者を”安全基地”とみなします。もし外の世界に飛び出して不安なことがあっても、守ってくれる人がいる!帰る場所がある!という強い安心感があるため、外の世界にも自信をもって飛び出すことが出来るようになります。
2.情緒的に安定し、豊かな社会性を持つことが出来る!
赤ちゃんにとって、両親、特にお母さんは、人間関係を築く最初の相手となります。この経験が、赤ちゃんが成長して学校や社会に出た時に、他人と人間関係を築く基礎となるのです。
もし両親との愛着関係が上手く結ばれていれば、その経験を他人と人間関係を築く時に反映していくので、子どもが自信をもって周りの人とコミュニケーションをとることが出来ます。
3.自尊心が高くなり、問題解決能力が身につく!
乳児期に、”誰かに愛される=自分の存在を認めてもらえる” という素晴らしい経験をしているので、愛着形成がなされている子は、自尊心も高くなります。
また何か失敗したり、挫折したとしても、何とか乗り越えて立ち上がろうとする粘り強さも身に付きます。自分の身に起きた問題を解決していこうとする思考力も培われるのです。
昨今、日本の教育では、どうやったら子どもたちが”生きる力”を身に着けることができるか?ということが課題になっていますが、愛着はその”生きる力”の軸になるモノだと思っています。
ではここで、どうしたら愛着関係を築くことが出来るのか?その方法をシェアしたいと思います!
1.スキンシップをたくさんとろう!
スキンシップは愛着形成における基本です。沢山抱きしめてあげてください。赤ちゃんは親の肌、存在を近くで感じることで安心感を得ます。
ごくたまーに、「抱き癖がつくから!」という理由で、泣いても放置する保護者の方がいらっしゃいますが、NGです。背中やお腹をポンポンしてあげるだけでもいいので、「大丈夫だよ。」と声をかけてあげてください。
2. 愛情表現をしよう!
まだ言葉が理解できない赤ちゃんでも言葉がけは大切です。ハグをすることはもちろん、「大好きだよ!」「愛しているよ!」と伝えてあげてください。たとえ言葉の意味自体は理解できなくても、話しかける時の優しいトーンや雰囲気で、赤ちゃんは「愛されているんだなぁ」と感じる事ができます。
余談ですが、カナダの保護者の方々は、朝子どもを保育園に送って仕事に行く際、キスをして「I love you! Have a good day! 」といって去っていく方が多くいます。また子どものことを、HoneyとかSweetie、 Sweetheartとか呼んだりもするので、その愛情ある呼び方に私もホッコリしています。
3.たくさん遊んであげよう!
両親と過ごす時間は赤ちゃんにとってかけがえのないものです。両親と笑顔で過ごす時間が、大きな安心材料になります。
ここで大切なのは、親が赤ちゃんに何か学ばせようとするのではなく、赤ちゃんが主体的になって遊ぶこと。赤ちゃんが興味をもってする行動に対して、大きくリアクションしてあげたり、一緒になって遊んであげてください。
私は子育て経験はありませんが、保育現場で多くの子どもと関わっていると、赤ちゃんが赤ちゃんでいるうちって、本当に一瞬なんだと思います。
どうかその貴重な時間を子どもと大切に過ごしてもらえればと思います。
さて今回は、愛着についてお話しました。
次回もお楽しみに!