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【ADHDお助けグッズ①】タイムタイマーを使ってみた・タイマーあれこれ

 ここ最近、ちょっと不注意が全面に出ていて、

・買い物しようと店まで 出かけたら 財布を 忘れて♪ いたり
・オンラインで映画のチケットを取って映画館に行ったら翌日のチケットだったことが発覚したり(親切な窓口の方が交換してくださいました。)
・こっちかなと思って車を走らせたら反対方向だったり
・頭の片隅にあったはずのタスクを納品後まですっかり忘れていたり

を、日頃に増して頻発させており、結果としてものごとがスムーズにいかない時期のようなので――閑休話題として、ADHDグッズについて書いてみたいと思います。反響があったら、②も書きますね~!

時間感覚の弱さと、わたしの困り感

 「タイムタイマー」を知ったのは高校講師の教員研修を受けた3年前のことだった。大学生をしていた15年程前の教職課程では見られなかった「発達障害」の理解と支援が、今の免許更新や教員研修では必ず取り入れられているようで、それは時代なんだろうなー。

 時間感覚の弱さを補うために、時間を可視化する「タイムタイマー」は、もちろん支援を必要とする生徒に使えるように、と紹介された。でもそれを見た私の心は、閃きを得たかのようで、期待に踊った。なぜなら、私は教壇に立ち始めて間もなく「授業の一コマの中に一定の内容を入れて、計画通りに授業をする」のが自分にとって困難なことであるのを、実感していたからだ。

 1コマの授業を計画通りに終えるには、授業内のあるタスクがどれぐらいの所要時間をもって、生徒と共有できるのかを正確に見積もる力が必要とされる。経験で補強できるものではあるものの、その【あるタスクの必要時間】を見積もる力が、私の脳は弱いみたいだ。だから、いくらでもできそうな気がしてたくさん計画して、あれ?何でこんなに終わらないんだろう?ということになる。

 ADHD的な脳を持つ人は、何かの関係で一般的な時間の感覚が弱いという。プラス、プランニング能力が弱いというのは、たぶんその時間感覚の弱さゆえ【どれぐらいの時間であるタスクが遂行可能なのか】の見通しが、付かないゆえ、実行可能性の高い計画を立てるのに困難さがある、ということだろう。

 それに加えて、マルチタスクは苦手で一つのことに集中したい脳のようなので、一度講義に没頭すると時計を気にするのが難しい。時計を気にする、というデュアルタスクを走らせ続けるのが、なぜか相当なRAMを食うようで正直難しいのである。教員になって数年経った今では、「時計を気にする」が致命的だということを(痛い思いをして)学習したから、多少改善されてはいる。けれど、教員を始めた当初は話している最中にチャイムが鳴って「あれ?」と思い、生徒はぽかーんとしている、という苦い苦い経験がある(しかも最後の授業…)。

 余談ですが、今は生徒にも自分の時間感覚の弱さを伝え、はっと気づいた時に「あと何分?」と聞くようにしたり、黒板に終わりの時間(覚えられない)を書いておいてリマインダにしたりして、どうにかやっています。自分の弱さを打ち明けて、人に助けてもらえる環境にするのって、大事!

「タイムタイマー!」の効果やいかに

 タイムタイマー!という、ドラえもんがポケットから取り出しそうな名前の未知の存在は、そうした私の困り感の救世主のように思えた。早速、アマゾンで購入した。小さな時計が4000円近くするから、決して安くはないけれど、投資だ!

 ワクワク…使ってみた。

結論:


タイムタイマーの盤面を見るのを忘れる!!(涙笑)


 …そうなのです。なんというか、どうにかしてくれるような気がして頼り切って、そして見ないのです。他に集中してるときに、そもそも視界に入ってこない。

 …そもそもね、私は視覚優位じゃなくて聴覚優位だから、時間を視覚化するタイムタイマーは、あまり合わなかったようなのです。そんな理由が、発達障害について去年学んでようやくわかりましたが、当時は何でだろうなー、と思っていました。

 聴覚優位については下記の記事で詳しく書いています:

 しかも個体の組み立てが悪かったのか指定時間になってもいまいち頼りの音を出してくれるブザーも鳴らず。結局、ときめかないので(ときどきこんまります)捨ててしまいましたが、視覚優位の人にはきっと強力なツールになるのでしょうね。

 実は、時間を視覚化する他のタイプのタイマー(↓こちら)

 も試したのですが、こちらはピーターパンの時計ワニのようにチッチッチッ…とわずかな音が漏れ出るタイプで、聴覚に触って私には駄目でした。今はキッチンで活躍しています^^

聴覚優位に合うタイマーは?

 聴覚優位の人は継次処理(物事を一つ一つ、線的に処理していくこと)が得意なので、作業に使うタイマーとしては、カウントアップできる一般的なタイマーが一番合っている、というのが私の最近の結論です。

 カウントダウン、ではなくカウントアップ、というのがポイントです。時間を指定して(例えば30分)のカウントダウンの厄介なところは、指定の時間が来たらタイマーがピピピと鳴って【保持していたい注意】を削ぐことです。いや、その時間に辞めたかったんだからいいでしょ、と思われるかもしれませんが、集中していると「何か邪魔された」と感じてしまうのです。その小さな反抗心が、「もうちょっとなら大丈夫だろう」という謎の強気の推定に姿を変え、結局タイマーなんて無視してしまう、ということが、カウントダウンタイマーを使う私には、往々にして起こります(笑)

 一方、カウントアップできるタイマーだと、「今、どのくらい経ったかな?」と自発的にタイマーを気にし、「ああ、このくらい経ったんだな」とその都度安心することができるのです。何しろ、時間間隔が希薄なので、その作業をしてどれぐらい時間が経ったのかが分からず、それを問われるシチュエーションになると、不安で不安でしょうがないのですから!そして、ああ、もうちょっとだな、切りのいいところまでやって…と、プラス1分オーバー位で時制できるのです。自己決定感?に訴えられる、というのも、カウントアップタイマーがADHD脳に提供できるメリットだと思います。

 ↑ こんなのが、いいかも。カウントダウンで使うのも見込んで、音がソフトなのを選ぶのもポイントです。びっくりしちゃって一瞬フリーズするので。私には、タニタは音が激しすぎる。昔むかしcitizenがすごい良いタイマーを出していて20年くらい愛用して壊れたのですが、もう撤退しちゃっているようで大変残念です。

 今日はここまで。

 お読みくださり、ありがとうございました。





◆時間についての本を、訳しています。

 私のような人が時間と友人になり、
創造的なしごとをする助けになりますように。


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すかーれっと/Scarlett
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