那須塩原にて。
(うわっ、なんもない...
そして...真っ暗だ...)
(まだ、18:00過ぎなのに...)
(どうしよう、晩飯...
とりあえず、まずはチェックインしよう)
(受付のおばさん、ものすごく親切そうだ)
「あのぉ、すみません。
この辺りで、食事できるところ、あります?」
「こっち側だとちょっと離れてるかなぁ。日曜日だし、やってないかも。
駅の向こう側に居酒屋さんとお蕎麦屋さんがあったかしら」
「ありがとうございます」
(よしっ。とりあえず、荷物をおいて、駅の反対側へ行ってみよう)
{おっ、あるある。
でも、ココに来て、チェーン店に行くコトもなかろう)
(ここはお蕎麦屋さんだな)
「いらっしゃませっ!お一人様ですか?」
「は、はい」
「お好きな席にどうぞ」
「ラストオーダーが19:30なんですけど、大丈夫ですか?」
「・・・はい」
「新幹線のお時間も大丈夫ですか?」
「あ、はい。今日は泊まりなので」
「それでは、お決まりになりましたら、お呼びください」
「あっ、じゃ、まず瓶ビールで」
「はーい、すぐお持ちしますね」
(う~ん。いいっ。思った通りだ。
どれどれぇ...山菜がいっぱいあるぞ。
そっか。もう春か)
(お姉さんの接客もいいし、当たりだ。このお店。
受付のおばさん、ありがとう!)
「すみませーん。
じゃぁ、
ウドの天婦羅とマイタケの天婦羅。
あっ、あと・・・塩モツ煮で」
「お蕎麦はどうしますか?」
「もうちょっと考えます」
(あぁ、タラの芽もあったのかぁ...
いやぁ、それじゃ、天婦羅祭りになってしまうなぁ。
まぁ、また後で考えよう)
「お待たせしましたぁ。ウドとマイタケの天婦羅です」
(おぉぉぉ。すごいボリュームだ)
サクぅっ。
(ん...うまい)
「お待たせしたぁ。塩モツ煮です」
(おぉ、コレもウマそうだ)
(夜はまだ寒いからなぁ。あったまるなぁ)
(そろそろ、日本酒が欲しいな。今日は、なんかそんな気分...)
「すみません。おすすめの日本酒、なんです?」
「冷酒もすっきりしていていいと思いますけど、
利き酒セットで試していただいてもいいと思いますよ」
「う~ん...じゃぁ、冷酒で」
「ありがとうございまーす」
「冷酒、おまたせしました」
(うん。いい。たしかにすっきりしてるけど、
しっかりした味わい。
マイタケ天によく合う。しみじみウマい)
(もうちょっと、ツマむか・・・
う~ん・・・鮎だ。鮎にしよう)
「すみません。鮎の一夜干しを」
「あ、それから、利き酒セットも」
「はーい」
「まずは、利き酒セットでーす」
(おぉ、結構、入ってるじゃないか!)
(とりあえず、端から・・・
ん・・・、いい。少し甘めだけど、好き)
(コレもいい。こういうの待ってたかも。
いやぁ、今日はいい夜だ)
「鮎の一夜干し、お待たせしましたぁ」
(おぉ、待ってました)
(コレ、頭まで食べられるヤツだ。たまらん)
「お客様、お蕎麦、どうしましょう?」
(あぁ、忘れてたぁ...
食べられなくはないけど・・・)
(う~~~ん......
・・・
・・・
今日は...ガマンしよう)
「・・・ごちそうさまです。
これで、お会計で」
「はーい、ありがとうございまーす」
(あぁ、よかった。よかった。大満足。
いや、タラの芽、食べたかった...
山菜の天婦羅、盛り合わせってメニューが欲しいぐらいだ。
それに、少し天婦羅を残しておいて、最後にざる蕎麦、頼んで・・・
そしたら、山菜天ざるにできたのに...)
(でも...
まだ、入るな。
コンビニでスイーツでも買っていこう)
(なんでオレ、蕎麦、ガマンしたんだっけ?)