長くて白いケーキを切り分けたら現れた渦
渦の中の色とりどりのフルーツ
白いクリームに溺れる果実
好かれたくてそっと
一番フルーツが多いケーキをあなたの前に置いた
気づかないでフォークを刺すあなたに
渦模様の瞳を向ける
他の子と談笑する姿を
別の人の紅茶を淹れながら横目で見ている
最初に淹れたあなたの紅茶
一番美しい紅色をしている
紅茶の湯気がエアコンの風で
消えていくのを見送る午後
ただ人形のように黙って
渦模様の瞳をひっそりと光らせる雨の午後
6.6 ロールケーキの日
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