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日本 - たばこと塩の博物館 レポ
薬物関連の博物館を巡る旅、日本編。今回はたばこと塩の博物館をレポする。
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なぜタバコと塩なのか。一見なんら関係ない代物のコラボに見えるだろう。
実はタバコと塩は、共に国家が販売を管理する専売制の商品だった過去があるのだ。
1985年に日本のタバコ産業は民営化することになり、日本たばこ産業株式会社(JT)が発足した。専売公社は日本たばこ産業株式会社にたばこの独占製造権と塩の専売権を継承させて解散した。
ゆえにタバコと塩はつながりが深いものと言えるのである。
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この博物館の入場料は100円と大変優しい値段でありながら、展示は充実しており、私は非常に満足であった。写真撮影はフラッシュを焚いたり他の人の迷惑にならなければOK。
常設展-たばこ編
たばこはアメリカ大陸で古くから使用されている南米原産の植物である。たばこは原住民にとって嗜好品としての使用だけでなく、薬や宗教儀式にも用いられる植物であった。
たば塩博物館ではボリビアとアルゼンチンの間のアンデス山脈でたばこが誕生したと考えられていると記されていた。私はカリブ海域原産の説を見たことがあるのだが、アンデス山脈で生まれた説の方が説得力がある。
まず展示室に入ると、まさかのマヤ文明の代表的遺跡”パレンケ遺跡”の内部レプリカがお出迎え。力入りすぎでは?
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この遺跡は7世紀頃の神殿である。この遺跡に彫られているタバコを吸う神のレリーフは、タバコに関する最古の資料とされている。
私調べでは、12,300年前にタバコの使用の痕跡がユタ州で発見されたという研究を見たことがある。なのでお酒と同じくらい太古からタバコは人類と共にあったようである。
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いつか中米や南米へ遺跡を見に訪れたいものだ…
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コロンブスはアメリカ大陸からタバコをヨーロッパへ持ち帰り、のちに広まった。
わたしがこういう博物館に来て一番楽しみにしているのが、嗜好品に関わる工芸品を見ることである。たばこと塩の博物館にはたくさんのタバコパイプが世界の地域別に展示されており、控えめに言って最高だった。
タバコパイプは地域によってやはり特徴が違う。現地で採れる素材を生かしていたり、その地域や国の美的感覚が現れている。それが面白い。
タバコが伝わってから間もない初期のヨーロッパではタバコは万能薬とされていた。多彩な薬効のみならず空腹やのどの渇きを癒すとして、マジメに薬として使われていたのである。タバコが当時のヨーロッパの医学体系に基づいた意味付けをされたこともあり、その結果人々の間にタバコが浸透していった。やがてタバコは嗜好品として嗜まれるようになった。
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最初はこのような素朴なクレーパイプが主流であったが、やがてヨーロッパの美意識にタバコ製品が飲まれていく。
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ヨーロッパのタバコ製品はついに、良質な素材を使用し繊細な彫刻を施されるまでになる。タバコの地位が爆上がりしていることがわかるであろう。それほどまでにタバコはヨーロッパの人々に愛されていたのだ。
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たばこには様々な摂取形態があり、それを余すことなく人類はたばこを利用してきた。
ヨーロッパ人のタバコの使用の仕方は、噛んだりスニッフしたりパイプで吸ったりする、ネイティブアメリカンたちのやり方の真似にとどまった。(タバコ浣腸を除く。)だがイスラム世界にタバコが入ってくると、水パイプというネイティブアメリカンにはなかった喫煙方法が生み出された。
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日本のタバコについての展示もある。江戸時代の日本ではタバコが流行っていて、特に髪の毛ほどに細く刻んだタバコを煙管で吸うのが流行りだったらしい。タバコを髪の毛ぐらい細く刻んじゃうところが日本人ってカンジだ。
写真を撮るのを忘れたが、江戸時代のタバコ屋さんのレプリカがあったりして面白い。
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近代のたばこの文化の紹介のコーナー。タバコが肺がんの原因とかとやかく言われていない時代は、華やかな広告やパッケージでガンガンに攻めていた。女性もタバコの顧客に取り入れるべく、たばこ業界が可愛らしいパッケージや広告に女性を起用したりして大いにハッスルしている。
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あまり時間が無くて、ムービーや日本の近現代タバコ史の展示をよく見れなかったので、いつかまた来てリベンジしたいところ。
常設展-塩
タバコメインの紹介記事にしたいので塩の展示のレポは割愛するが、世界中の塩が見れたり、伝統的な塩の作り方とかも見れる。かつて塩が高価だった理由がよくわかる。
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特別展
私が訪問した2022年12月には特別展でヴィンテージライター展がやっており、様々な工夫を凝らしたライターたちをたくさん見ることが出来た。
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最初の方にも書いたが、私はこの博物館にかなり満足している。展示内容も入場料100円にしては豊富で、かなりいい博物館だと思うので、推したい。機会があればまた行きたいと思う。
たばこと塩の博物館
入場料:100円
営業時間:火曜日~日曜日 10時~17時