[詩]入眠
午前零時 眠り方を忘れる
橙色の灯 階下から膝下迄
思慮は
まばたきの速度で
頭頂と麓を行き来する
塵にならない流れ星
尾を引く汚言
糖分で塗りたくれば
綺麗な藍空が広がる
午前零時半 糸が解ける予感
薄墨色の影 手すりから瞼迄
眠くなって
筋肉痛の足運びを
思い浮かべたりする
散らばる洋菓子の滓
優しさに満たされる戯言
窓の向こうは
止む雪と道を照らす外灯
午前一時前 深く沈む枕
緑色の陰影 減速する情
幼き入眠の記憶は消えない
同じ夜を何度繰り返しても
安眠を取り戻せる気でいる