[詩]清涼飲料水
気が抜けたコーラが美味い
刺激の弱さだろう
人で言う衰えが
ちょうど良く及第点に留まり
隊列を乱さず全身を渡り往く
負の数を引いて正数に転じる
時間は減り形は増えていく
空き缶の分だけ
濁りの中の正しさに繋がる
吸い殻の分だけ
次の一歩の支えに繋がる
短い睡眠の分だけ
端末は重くなる
日照時間外に
一編の根幹を見いだす
深夜の住人
照明の親友
孤幸の通信
恒星の心中
無意識に羽織る季節の習わし
失念の危うさを私と打ち逃れる
無関心と袂を分かちたい
希望的観測が充満する部屋
コーラは飲み終えた