［詩］1マスずつ

暦は右に1マスずれただけで
昨日の余韻がまだ残っている
大した日ではなかったが
大それた歪みが無い日の安堵があった

今日のテーマを設けるとすれば
命の輸送を
両手で丁寧に包み
両足で強固に支えること
命あっての苦楽だから
命あっての喜嘆きたんだから

不完全な生き方に
進む意味を見出す英雄を見て
完全な生き方を求めて
及第点がやっとな生に
失笑してしまった

誰かの命を思っている時に
脈絡無く
自分と絆が交差した
凡庸な閃きや見切り発車は
独りでいる時に限る
絆を保つ為の道々に目を凝らして
また明日も
余韻や新たな1歩が
普遍な空の下にあれば良い

僅かに上がる口角に呼応して
腹にぶら下げた熊も笑っている
昨日が終わり
今日が始まるきっかけは
及第点の一節に集約する

それじゃあまた明日