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キャリア新米ママが陥りがちな無力感

『子どもはかわいいけど毎日にハリがない』 
『自分は何のために毎日過ごしているのか』

仕事はやり甲斐があり、大変なこともあるけど、楽しくやってきたという女性。今は産休に入り、乳児と共に暮らすママが、ある日こんな言葉を口にしました。

そんなキャリアのある新米ママさんのお悩みについて、今回はお話していきます。

新米パパはこちら

前回、新米パパへ向けた夫婦で行う「仕事と育児の両立」について、実際の事例をご紹介しました。

こちらの事例は、赤ちゃんを迎え、新生活がスタートした際、
「妻の育児ストレスを少しでも減らしたい。しかし、何をどうすれば良いのか、分からない時がある」という思いを抱えるご主人が、コーチングを利用して解決した事例です。

こちらは新米育児パパを主体としていますが、今回の内容は、キャリア女性や、キャリア問わず様々な活動をしてきた女性の方へ向けた記事になっています。合わせてお読み頂くと幸いです。

育児×役職者=言われぬ重責

子育てが始まると、夫婦の役割は変化します。一つの命を守るパートナーとして、今までとは違う協力体制が必要になるためです。
それはまるで私の経験したアパレルの店長副店長のようである、と考えています。お母さんである女性は店長に、お父さんとなった男性は副店長に酷似しています。

これは、私の育児×アパレル店長経験からくる持論ですが、私の経験したアパレル店長は、言葉にするとこのような中身でした。

「店舗運営において最終的な責任を負い、
管理職として場の監督を任される。その為気は抜けず、あらゆる状況に備えて変化を予測し見極めながら、起こることは引き受けると覚悟し続けている人であり、場の第一任者である」という役割でした。

このアパレル店長と、育児における「お母さん店長」の役割とよく似ているなと考えたのです。
お母さん店長は、「場の状況、つまり赤ちゃんの状態を見極め、最終的に全責任を負う。この場合の責任とは、赤ちゃんの心や身体の状態の観察と対応を、場の第一任者として受け持つということ。
その為気は抜けず、あらゆる状況に備えて変化を予測し、その都度見極めながら、起こることは引き受けると覚悟し、より良い状態を保つ」

このように、お母さん店長には、管理者としての責任が伴います。この役割のもつ緊張感に加え、未知のものである不安感とプレッシャー、加えて女性性からくる共感して欲しい性質が混じり合います。

実は管理者フィールドは、社会的な経験値でこなせますし、子育てという未知なものにもチャレンジしていきます。
しかし、本来女性の性質として持ち合わせている、共感し合う部分が不足するので、事は複雑になります。
これに気付いていないお母さんは多いです。なぜなら「お母さん店長」になった時、今までのキャリアにおいて自分でやり遂げてきた経験があるからこそ、人に頼るのが苦手であり、何でもしようするからです。

その結果、管理者フィールドはクリアしますが、『小さな取り組みや心情を察し、分かち合う』という女性が最も心安らげる部分が不足したまま進んでいくことになります。

周りもまた、気付けない

今の自分を認め、小さな取り組みや心情を察し、分かち合う。
この共感力の高さは女性性によるものです。
この高い共感力は女性を満たし、次のステップへ進む力になるのですが、
この観点について女性自身は赤ちゃんに注力しており見失いがちです。
さらにお父さん副店長も、気付かないことがあります。

なぜならお父さん副店長も、初めての役回りで、戸惑っています。

突然現れた新しい命を目の前に、赤ちゃんの対応だけでいっぱいいっぱいになったり、お母さん店長が業務(子育て)に注力している間、外部との窓口になったりと、また新しい対応があるためです。

これは、お父さんだけでなく、身内など、親しい人達にも及びます。
つまり赤ちゃんに夢中で、お互いの存在、単体としての認知と承認が薄れることになります。
あまりにお互いに抱えるもの、見える視点が違うため、お互いを思いやる気付きが遅くなります。
そんな時、どうしたら良いのでしょうか。

自分で、自分を受け入れる

お母さん店長が不足してしまう承認・共感について補うために、おすすめの方法があります。

それは、お父さん副店長でもなく、周りでもない、自分自身が自分のパートナーになり、自分で自分を深く認め、しっかりと自分の行っていることを認知し、よくやってるなと認め続けることです。

そのためには、自分が今、どれほど価値ある行動をしているのか、改めて理解する必要があります。

価値ある行動を、自覚する

新しい命を育てる女性が、どれほど価値ある行動をしているのか、改めて理解するために、ここで時間投資について考えて頂きます。

新米ママの時間投資は確実に起こっています。
もし、子育てをしていなければ、自身のキャリアを伸ばす事や、社会貢献の機会に時間を投下することができるかもしれません。

その場合は、わかりやすく社会的承認が得られますが、家庭での活動は、先程述べたように互いの活動が細分化され、見えないまま終わることが多くなります。

そういった承認及び共感が不足した状態で女性が育児に取り組んでいると、社会から置いてきぼりにされたような気持ちになります。
この、「置いてきぼり」の感情の部分がよく伝わる詩をご紹介します。
ニュージーランドを中心に伝わる詠み人知らずの英詩です。
タイトルは「today」。

今日、わたしはお皿を洗わなかった
ベッドはぐちゃぐちゃ
浸けといたおむつは
だんだんくさくなってきた
きのうこぼした食べかすが
床の上からわたしを見ている
窓ガラスはよごれすぎてアートみたい
雨が降るまでこのままだとおもう

人に見られたら
なんていわれるか
ひどいねえとか、だらしないとか
今日一日、何をしてたの?とか

わたしは、この子が眠るまで、おっぱいをやっていた
わたしは、この子が泣きやむまで、ずっとだっこしていた
わたしは、この子とかくれんぼした
わたしは、この子のためにおもちゃを鳴らした、それはきゅうっと鳴った
わたしは、ぶらんこをゆすり、歌をうたった
わたしは、この子に、していいこととわるいことを、教えた

ほんとにいったい一日何をしていたのかな
たいしたことはしなかったね、たぶん、それはほんと
でもこう考えれば、いいんじゃない?

今日一日、わたしは
澄んだ目をした、髪のふわふわな、この子のために
すごく大切なことをしていたんだって
そしてもし、そっちのほうがほんとなら、
わたしはちゃーんとやったわけだ
伊藤比呂美さんの訳された詩集による

いかがでしょうか。
「ほんとにいったい一日何をしていたのかな?」と考えるお母さんが詩の中に存在しており、自分に無力感を感じています。

新米ママが誰もとって代われない育児をしているにも関わらず、一日の振り返りをし、疑問視している様子が伝わってきますが、この詩こそ、一つの命を育てる女性の尊い時間投資が描かれています。

これまでの通念となっている社会的価値においては、見える化しにくいとされていた育児に対する現実の葛藤。
ここで、お母さん店長は、自分自身がどのように確かな活動をしているのか、自分をしっかり眺めて、認知する必要があるのです。

さとコーチの無力感も消えた

わたしも同じように無力感にさいなまれた頃、まだコーチングを知らずに苦しんでいましたが、子どもが2歳になる頃、コーチングを受け始め、感じる必要のない不安を感じなくて済むようになりました。

これには、3つのステップがあったからです。

1.自分の無力感がどこから来るのか明らかにした

2.考え方を変えるきっかけを理解し考えを書き換える時間を手にした

3.今後やるべき行動まで約束事にして導いてもらった

このように必ずやれるように実現させるコーチングのスタイルは、自己肯定感を下げずに、ライフスタイルの変化で起こる問題点を最小化しました。

まとめ

今回は、キャリア系新米ママさんのお悩みについて、ご紹介しました。

『子どもはかわいいけど毎日にハリがない』 
『自分は何のために毎日過ごしているのか』
そんな思いが湧き上がるキャリアママさんについては、自分自身が自分のパートナーになり、自分で自分を深く認め、しっかりと自分の行っていることを認知し、よくやってるなと認め続けることが必要となります。

  • 自分が今、どれほど価値ある行動をしているのか、改めて理解する

  • 自分がやっていることはどんな事か?

  • 価値があることだとしたらどんな意味があるだろう?

一度そんな風に考えてみるのも自分の行いの素晴らしさに気付く良いチャンスかもしれません。


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