自分自身から解き放たれる旅 6 <オマーン>
「叩き壊して生まれ変わる」ガラス造形作家が、作品制作に浸りきる生活から離れ、日常の全てを放り出し、未体験の環境下で、自分自身の内と外、過去と未来、そして、宇宙とじっくり対話するための旅。
2015年10月〜11月
ベネチアからギリシャ、スエズ運河を抜けて
ヨルダン、インド、シンガポールまで海路で巡る4週間の旅 その3
文明や宗教ってどんなところで生まれてきたんだ!?
今そこでは、人は何を食べ、何を着て、どんな暮らしをしているんだろう?
ネット上の『情報』で、分かったような気になるんじゃなくて
その場の文化や空気を自身の目で見て体感して、そこに暮らす人と触れ合い
今までの自分の生き方を叩き壊す時間にしたい。
という思いを携えて旅に出た。。。。
オマーンは紀元前3000年頃からメソポタミアに銅を輸出し、
紀元前後からは香辛料や乳香、象牙の海洋貿易拠点として栄えた歴史ある国。
数十年前までは貧しい砂漠の国だったオマーンを
1970年にクーデターで即位したカーブース国王がイギリスから独立。
農業国家から産油国へと国内経済を転換して近代化、国際化し、
今のような豊かな国になったという。
でも私の中には、オマーンという国のイメージが全くなかった。
実際に首都 マスカットを訪れて感じたのは、とても勢いのある国。
モスクや遺跡は、とても綺麗に整備され、街のアチコチでインフラや建築工事中。
人、経済、文化、国。
結局は、人間の『創造力』が未来を作るんだ。
乳香市場の食堂
全く読めないアラビア語には参った!
そういえば、ハングルも読めなくて困ったな。
オマーン北部のバハラにあるジャブリン城は、砂漠の中の一軒家 !!
17世紀に宮殿として建てられ、その後は、教育施設としても使われていた。
屋上からは周りがよく見渡せる。
ナツメヤシ畑、砂糖漬けで食べるデーツの実がなる樹。
建物内部は風の通りもよく考慮されて装飾もエレガントで凝っている。
豊かな文化が栄えていたに違いない。
中庭への光の取込みもイイ感じ、ココに暫く住みたい。(でも、周辺には何もないゾ)
バハラ城砦へ向かう道端で羊肉と石焼羊を売る露店。
美味しそうな香りが漂ってるけど、、、
食あたりしそう? 今はヤメておこう。
中世、海のシルクロードの中継地として栄えたオアシス都市を遊牧民やペルシャから守るためにオマーンには多くの城砦が築かれた。
2Kmの外壁に守られたバハラ城塞は、その中でも最大規模で世界遺産にも登録される。
とっても綺麗に修復されている。
盗賊との激しい攻防から人々の命や生活を守るための城塞は、長い時を経ても美しい。
陶器で有名なバハラの街をウロウロしたが、のんびりして安全そう。
地元の方が頭に巻いてるアレの巻き方を教えてくれた。
へー、こうして巻くんだね。
この後、自分でもやってみたら、、、、
鏡に写ったメリハリのない顔にガッツリ凹む !!
砂漠のオアシス サラーラへ 乳香の木が生息する地としても知られる。
マルニーフ洞窟よりイエメン方向を望む。
自然は人間の創意を遥かに超えたクリエイテビティーを見せてくれる。
岩の穴から海水が噴き上がる名所。
中東のリゾート地、避暑の別荘エリアとしても人気なんだとか。
でも日本人にとっては暑かった。
サラーラ出身のカーブース国王が、今年 2020年に崩御された。