そのBtoBの年賀状は本当に必要なのか
私の勤め先はB to Bの事業をしており、年賀状を毎年出している。
形だけでいいから送っておきたいというもので、コストは最小限に抑え、自社で無料素材よりデザインし、家庭用プリンタで両面印刷しています。
弊社の営業スタイルはプル型ですが、自社サイトは古くSNSはほぼ活用していません。だからこその既存顧客への感謝という点は理解しています。よくあるマーケティングの一環だったりプッシュ型の営業ツールとしての年賀状とはまた違います。
今回はそういった「明確な目的がないであろう」ケースにおいて「年賀状は本当に必要なのか」を改めて考え、改善余地の有無や提案材料を検討することにしました。
改めて確認したいのは何か?
私が上司から受けた指示は
1.何でもいいので作成よろしく
2.今年アウトソーシング依頼した企業には不要
だけでした。勤め先は典型的な中小企業。推察するに年賀状を出す理由は「毎年出してきたから」で、目的は既存顧客との関係性の維持や向上に役立つ事。
本当に出す意味があり役立っているのか?
ただの慣例で辞められないだけではないか?
疑問に思い上司の指示2つについて考察してみました。
形だけの年賀状の費用対効果
本当に出す意味があり役立っているのか。上司の形だけでいいという指示は「時間もお金もかけたくないけど、送れば意味はある」というニュアンスでした。どのクオリティであれ、前述した顧客との関係性維持や向上に役立つという事でしょう。
前述のとおり勤め先は毎年フリー素材を探して家庭用プリンタで印刷しています。ですからクオリティは低く、時間も掛かる。今年はデザインに約1時間(計6パターン)、印刷だけで約13時間。つきっきりでは無くとも仕事は時々中断されるので人件費もかさみます。
そしてちゃっちい年賀状が出来上がります。この年賀状を貰った顧客が「今年も丁寧に○○から年賀状送られてきたな」「○○には世話になってるな」と感じるでしょうか。私は感じません。デザインにインパクトや美しさが有るわけでもなく、大半は普段から親交がある訳でもない企業からの、どうみても安そうな年賀状。「コレどこのだ?〇〇か」くらいが関の山でしょうか。 ラクスルの様なサービスに外注したほうがデザインも良く「お金を掛けて出す価値があると思われている」と感じてもらったり「○○は丁寧な会社だな」からの多少の関係性の向上は計れるのではないでしょうか。
上記のことから私はしょぼい年賀状だと期待するほどの効果は得られていない、と推測。もし「コレどこだ?〇〇か」がゴールであるなら十分なのでしょう。
ちなみにラクスルと自社作成するのとでコスト比較をしましたが、今年は数千円の差でした。
B to Bの年賀状はただの慣例なのか
先に述べたように、マーケティングの一環や営業ツールとしての年賀状は効果的でしょう。プッシュ型ならば特にそれだけの価値もあるはずです。ただ弊社はそういったツールに年賀状を位置付けていない様子です。
出来上がりをみても形だけで心のこもっていない、まさにただの虚礼にすぎないのでは?と感じてしまいます。このいかにもなオーラの年賀状で、顧客への感謝は伝わっているのでしょうか。
そして上司の指示にあった「アウトソーシングした企業には不要」が私には不思議でした。年賀状とはそもそも「お世話になった人への挨拶回りが簡略化し書面化されたもの」では無かっただろうか。
こちらは顧客側ですが、アウトソーシング先が色々と作成してくれなければ業務改善もユーザビリティの向上もありませんでした。弊社も未熟な点があり、問題が出る度に乗り越えました。依頼しなければ現在への成長はなかったと断言できます。私は「お世話になった」と感じていますが、上司は出すに値しないと判断をしました。こういった繋がりを無下にする企業が、他社からの信頼を得られるのでしょうか。
SNS・メールで無料でも高クオリティのものが簡単に出せる時代。そこであえて有料の紙媒体を出す先には形だけの挨拶。それはまさに慣例だし、そのただの慣例に対するコストはいかほどでしょうか。
結局、年賀状に意味はあるのか
これらのことから私は
・年賀状を出す目的を達成している事
・費用対効果が適切か、ただの慣例(虚礼)であるか否か
で年賀状を出す意味や価値があるのだろうと結論づけました。
勤め先の場合
【年賀状を出す目的は?また達成しているか?】
目的:顧客との関係性維持や向上
現状:期待する顧客への効果は得られおらず目的は達成できていない。しかし「出すことに意味がある」という価値観ぽいので、ある意味目的は達成できている。
案:従来の目的を達成できるレベルにしてはどうか。その為にはもう少し高クオリティを目指す、ラクスルのようなサービスを利用するなどが有効では。
【費用対効果は適切か?ただの慣例で辞められないだけか?】
費用対効果:低コストではあるが時間が掛かる事、業務に支障が多少なりとも出ている面から、費用対効果がいいとは言えない。実際サービス利用した場合と比較してもさほど変わらない
慣例の見直しは:辞めるのにはかなり体力を要するうえ、価値観としてここは譲れない様子。何より意見できる立場にない
案:SNSを上手く活用するなどの工夫し、費用対効果を上げてはどうか。年一で名前を出しておきたい程度に対してコストが高いと感じる。慣例については意見する立場にないので今回は見送り。
結論
年賀状自体に価値を創造できてないが、上司命令であり意見する立場にないため、提案する機会を伺いつつやらざるを得ない。
締めが雑すぎますが、これに尽きると思います。
皆さんの会社はどうですか?