ブーティしか、アーモンドトゥしか勝たん

パンプスが苦手だ。
履かなくてよい時には避けてきたので、ますます脚の筋肉がパンプス仕様に鍛えられず、苦手というより不可能な分野になってきている。
ハイヒールは生まれてこのかた履いたことは無いし、５センチくらいのヒールでも綺麗には、歩いてないと思う。
たまにある甲のめちゃくちゃ浅いバレエシューズなどに至っては、何故歩行が可能なのか？と不思議で仕方ない。アレは冗談抜きで１歩も動けない。
母も昔からパンプスには苦慮しており、「日本人のDNAには、靴は合わないのよ。歩き方も脚も身体もおかしくなる。草履で生きていきたい。」と壮大な理屈をよく言っていた。真偽の程はわからない。
母の屁理屈の影響か？私も夏にはトング（草履型の鼻緒があるサンダル）しか履かない。足の先から純日本人だとアピールする状態だ。
そんなわけで春秋はオニツカタイガースニーカー（足に合う）、寒くなってくればトレッキングやショートブーツ、真冬はSORELのような防寒系に落ち着いて、今は足のトラブルに見舞われなくなった。

ブーティは神

そうは言っても、パンプスを履かなければいけないシチュエーションは、ある。
そんな時の為だけに、ニュアンスの違う黒と茶のブーティを所持している。
ファッションおたくではないので正確なところはわからないが、ブーティとは、甲の部分が覆われているパンプスだ。筒がくるぶし以下のブーツ、といったらいいのか。
ブーツほどのカジュアル味は無く、パンプスほどの美脚アピールは無いが、甲が覆われている仕様は大変歩きやすい。
甲をストラップで支えるパンプスも種類としてはあるのだが、この「ブーティ」という代物が一般的になってから、ストラップパンプスを上回る歩行効果にだいぶ助けられている。
ピンヒールを履いた美脚女子は大いに讃えたいので、世の全てとは言わないが３０パーセントくらいは「ブーティになっちゃえ！」と魔人ブウみたいに唱えている（心の中だけで）。

神の裏切り

パンプスのトゥ（つま先）にも様々な形がある。
ポインテッドトゥとかスクエアトゥとかラウンドトゥとかだが、中でも自分は、アーモンドトゥが好い。
パンプスを履く機会そのものが少ないのだから、買うならアーモンドトゥしか欲しくない。アーモンドトゥ以上に綺麗なトゥは無い、と思うほど実は惚れ込んでいる。

余談だがずっとパンプスがしっくりこなかった原因は、昨今ほどこのアーモンドトゥが以前は一般的でなかったからではないか？昔からあったっけ？
ブーティで選択範囲が狭まり、アーモンドトゥで狭まり、サイズで狭まり、足に合う（履き心地）となると、見つけるのは大げさでなく奇跡に近い。
調べずに書くが、パンプス選びに苦労している日本人女性は少ないのだろうか？私は足形もエジプト型で日本人の８０パーセントに入っているのだけど・・パンプスはやはり慣れが全てなのか。

もちろん、私の選ばれしブーティ２足もアーモンドトゥだ。
可愛く歩きやすく高価でもない最高の靴。
だが、靴は消耗品である。もし壊れてしまったら、２足しかないだけにかなり困ったことになる。
先日、なかなかの雨の日に、シチュエーション的にこのブーティでそこそこ歩かなければいけなくなった。
そのとき自分は綺麗に歩くことよりも、靴を傷付けないようにと考えながら歩いた気がする。
それが神の怒りに触れたのだろうか。
その靴で一度もできたことの無い、かかと靴ずれを起こしてしまった。
普段から雨の日はレインブーツを積極的に履いているのだ。よく考えたらその日だって服をかえてレインブーツでも良かったのに、失敗してしまった。
帰宅後、靴擦れが久しぶりすぎて存在を忘れてしまい、お風呂でぐぉぁー？！痛ったーい！と声を上げた。
神の御業は厳しいです。今もまだ痛いです。