【世界8位】子供をWCSで勝たせるために心がけたこと【ポケモン】
こんにちは、にこま(@25nikoma25)と申します。
ポケモンワールドチャンピオンシップス(WCS)2024にて、息子がTCG部門・ジュニアリーグにおいてTOP8になりました。
また、年齢的にも、ジュニアリーグ卒業の節目ということで、記念に記事を書き記していこうと思います。
さて、今回は国内のポケカイベントではなく、世界大会いわゆるWCSに範囲を狭めて記していきます。選手としての参加権利を得るまでの物語にも、込み上げるものがありますが、ここでは一旦省略。
WCSを少しでも最高の思い出にするために、私が気を付けていたこと・考えていたことを書いてきます。
今回はちょっと長いです。
面白そうなところだけ読んでもらえると嬉しいです。(目次からジャンプできます)
文章のほとんどは自分の記念用に書いていますが、
★我が家と同じようにWCSで勝つために頑張っている方や、
★これからWCSに向けて頑張ろうと考えている方や、
★何かもっと親として応援できたことがあったんじゃないかと苦悩している方へ、
少しでも力になれたら幸いです。
文章中に主観的な表現が含まれることがありますが、一個人の見解であり、何かを強要したり勧めたりする意図はございません。日本のとある一家がどのようにポケモンカードと向き合って過ごして来たのか、というその程度のことですので、予めご認識おきください。
自己紹介
筆者は2024シーズンにおいて、シニアリーグとジュニアリーグに所属する子供をもつママです。自分で言うのもなんですが、関東に住まう、一般的な母親と思います。ポケモンカードとの付き合いは6,7年になりますが、基本的なポジションはマネージャー兼スポンサー。残念ながらプレイヤーとしての才能は未だ開花されておらず、たまーに実施する家庭内対戦に留まります。
今回は、ジュニアリーグに所属している方の息子(弟・小6)にフォーカスを当てて書いていきます。
息子の戦績はご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
今回の戦績を除けば、チャンピオンズリーグ(CL)2020を小学一年生で優勝したことが最も大きな功績と言えるでしょう。
大会形式こそ変わってしまいましたが、チャンピオンズリーグでの歴代優勝者の最年少記録は今でも健在です。この結果を見て、ポケカ始めました、大会に出てみようと思いました、とおっしゃっていただける方もいて、少しは貢献できているのではと嬉しく感じます。
どこまで経歴に含むかは悩むところではありますが、、、
・チャンピオンズリーグ(CL)2020愛知 優勝
・竜王戦2020 TOP4
・ワールドチャンピオンシップス(WCS)2022ロンドン TOP32
・ロンドンオープン 5位
・シティリーグ 優勝
・ワールドチャンピオンシップス(WCS)2024ハワイ TOP8
何かしらの大会でご一緒した方も多いのではないでしょうか。
WCSを最高の思い出にするには
さて、筆を続けます。
親として、プレイヤーである子供を応援するにあたり、最も深く思うところは「WCSを最高の思い出にするにはどうしたらいいか」の一言に尽きるのではないでしょうか。
「最高の」と文字にしてしまうと、とてもシンプルなのですが、これは人によって様々な最高が存在することを忘れてはいけません。
親と子供で価値観が異なることも多々あります。
l 異国のプレイヤーと戦ってみたい、
l Day2に進出したい、
l 優勝してトロフィーが欲しい、
l 開会式などセレモニーも満喫したい、
l サイドイベントやトレードも楽しみたい、
l 現地のグルメを満喫したい、
l 特定の場所に行ってみたい、
l トラブル無く帰国したい、
そもそもWCSの参加権利を得ることが目標だった方もいるでしょう。
何が一番重要としている目標で、
何が二番手でいい目標なのか。
親子でしっかりと擦り合わせをします。
この時点で親子の認識がズレていると、かなりつらいです。
私も子供に必ず言語化してもらって意見を聞きます。自分の子供のことって、言われなくても分かることがたくさんあるけど、子供だって、親に遠慮して言えないことたくさんありますよね。作戦会議しよー!って現地の行きたいグルメの話で盛り上げてから、じゃぁポケカはどうする?って段階的にまじめモードに持っていきます。
作戦会議も一度で完結させようとはせず、何度もリテイクします。
初めてか既出かでも異なる
最高の思い出にするために大切にしたいと感じる事柄は、初めてのWCS参加か、過去に経験があるのかどうかでもだいぶ異なります。
2回目以降だと、いくらか経験がある分計画もしやすいですが、「WCSが初めての海外」という子も多いです。パスポートやビザの準備に追われて、なかなかポケカまで手が回らない、ということも多々あります。
パスポートはいわずもがな必要なので、権利が取れたら早々に何の迷いもなく着手するのですが、観光系ツアーやレストランの予約は、どのタイミングがいいの?と悩みますよね。
事前にしっかりと子供の意見を聞いておくと、このあたりは迷いなくアクションできるので、やっぱりコミュニケーションは大切だと感じます。
配分を考える
ある程度ヒアリングが済んだら、配分を考えます。ポケカと、観光の配分です。
(観光なんて全くしないぜ!という方は期待に沿えずすみません。私はある程度は観光もしたい派です)
今回の我が家の遠征配分は、こんな感じでした。
最後おばあちゃんみたいなの混ざってますが、まじめに書いてます。
慣れない土地で試合に挑む以上、相応のストレスや危険が伴います。安全面はもちろんのこと、健康面も疎かにならないよう必要以上に気を配っていきます。
これらの目標や、やりたいことは、何度だって変更していいんです。
果てしない夢を喋ってもいいし、堅実な一歩を望んでもいい。
色々な可能性をイメトレするのが大切と私は感じています。
そして、どれも親からは否定しない。
ちょっと現実を見せつけるときはあるけれど、まぁそれはご愛敬でしょう?親子で同じ目線を共有できることが幸せなのです。
私をWCSへ連れて行ってくれる子供に感謝しつつ、権利を取ってくれた子供のリクエストを大切に考慮します。
とにかく経験者に聞け
さてさて、ここまでの経験をしたことがある方なら、お気づきでしょう。
子供と計画を立てる、それがどんなに大変かを。
彼らは理想ばかり並べるし、それに比べてこちらは有給日数と所持金の限度とにらめっこだし。え?練習も付き合わないといけないよね、学校や塾の予定も、、そうだよね、これちゃんとWCS行けんのかな、、、って。
大丈夫、みんな一度は思います。
とにかく経験者に「初めてなんですけど、、」って声をかけまくってください。ほんとに有益な情報ばかり教えてくださいます。
私は運よく恵まれていて、よく行く自主大会やカードショップには、同じWCSに参加する予定の方や、過去にWCSに参加された方、興味を持っている方が多くいました。
国内遠征は、そこそこ慣れていて、私一人でも子供をサポートできるようになった自負がありましたが、経験者の語るWCSは別物でした。
分かりやすいのは、ウェルカムキット。中身の詰まったリュックが一つ増えます。32位以上になったらもう一つしっかりした鞄が増えます。機内持ち込みトランクぐらいの容量が確定で増えるのです。
国内CLには無いシステムだし、説明もありません。
そんな説明の無い事態がたくさんあるのがWCS。
経験者から話を聞いていても、当日はそうではなかった、ということもあります。
しかし、事前にどんなことが想定されるのかを知っているだけで、備えられることはたくさんあります。単に海外旅行であるならば、トラブルも楽しめるかもしれませんが、遠征なら、可能な限りトラブルは避けるに越したことはありません。
人との繋がりは偉大で宝物です。
身近に詳しい経験者が複数人いないのであれば、わざわざWCSレギュのイベントに足を運んででも、横の繋がりは得た方がいいです。
実際にこれらのイベントに参加するために新幹線に乗ってくる方も少なくないです。
そして臆することなく話しかけてください。
どんな大会だった?持って行ってよかったものは?ホテルはどこ?いつの飛行機?
現地でトラブルに遭遇した際に、同じ日本人が居るというのは、言葉では言い表せないくらいとても心強いです。
計画は破綻するものと考えよ
ここまで長々と事前計画の重要性を説いてきましたが、大切なことがもう一つ。
それは「計画は破綻するものと考えよ」です。
飛行機の時間は変更できないものとしつつも、ほとんどの工程は破綻する可能性を秘めており、また変更も可能なはずです。
トラブルによって計画が順調に進まなくても、ネガティブにならないことが大切です。子供は常に親の顔色を伺う生き物なので、どんなに心臓ばっくばくでも、堂々として「大丈夫!プランBだよ!」と言ってのけます。選手を不安にさせない、は試合で勝つための最重要項目です。
よく耳にする海外トラブルと言えば、
なるべく避けたいけれど、究極は、海外のアパートメントに予約を入れていた場合、事前に貸主とコミュニケーションが取れていない場合は、別のお客が優先されている場合があります。
他には、
思った以上に時差ボケが強く出てしまって、予定していたレストランに行けない。
緊張で全く食事がのどを通らない。
街中で虫に刺されて毒状態に陥り、通院を余儀なくされる。
ポケカ関連だと、
何度もデッキチェックが入り試合が中断されて集中できない。
国内では問題ないとされている行為でもペナルティが出てしまった。
相手の言っていることが分からず聞き返したらYESと判断され試合が終わってしまった。
などなど。
どれも実際に起きたことです。
我が家も大なり小なり必ず事件が起きています。
私たちの想定を超えるトラブルはとても身近に潜んでいて、唐突にやってきます。国内であれば慌てることなく対応できた事案も、慣れない海外では不必要なほど気が動転してしまい、諦めるしかなくなってしまったり。引率している親だけでなく、子供自身が身を守る術を想定できていないと、WCSでは不利になってしまうこともあります。
番外編1【ゴリラと行く海外旅行】
イメトレ計画の重要性がお伝えできたところで、ちょっと脇道に逸れます。
実は我が家には、今回フォーカスしているジュニアリーグ所属の子供(弟)の他に、シニアリーグに所属している子供(兄・高校生)もおります。
現代を生きる子供たちの中には、反抗期?そんなの無かったわ。という人種も増えてきていると聞きますが、うちの(兄)場合は、そりゃあ昭和的な、絵に描いたような反抗期が絶賛開催されていました。
親が白と言えば、黒と言い。朝だと起こせば、なんで起こすのとふてくされ。
いつの間にか、何一つ会話が嚙み合わないことも普通の日常になってしまいました。
物に当たるようなことはなかったけれど、私の心は常にハートブレイク。
いつか終わるものだと、なんとか自身の平常心に語りかけてはいたものの、それでも悶々と葛藤し、昔の可愛かった頃の画像を見ては、(弟)と慰め合っていました。
そんな日々も、慣れてしまえば少しづつ気にしなくなるもので、自分のケツは自分で拭けやと、言えるくらいには子離れ出来てきました。
しかし、今回は海外遠征。
勝手にしろと突き放すにも限度がある。
日本と同じようには許容できないこともいっぱいある!
散々計画の重要性を説いてきましたが、兄とは最後の最後まで意思疎通ができず、荷造りもかろうじて数枚の衣服を準備しただけ。一週間近くハワイに行くのに、ちょっと友達んち行ってくるわくらいの軽いノリでさ。
もう一緒に行くのはやめようかと何度も思いました。弟も「試合に行く」気満々だったので、余計な不安要素は少しでも日本に置いていきたいと私は感じていました。
飛行機も直前まで変更できるプランだったので、めちゃめちゃ悩みました。
でも、今回、弟が選手権利を取れたのは、兄のサポートがあったから、なんです。
私はプレイヤーとしてのスキルは無いし、練習相手としても力不足。
そこを補ってくれたのは、他でもない兄の存在でした。また、我が家で誰よりもポケカを楽しんでいるのも兄でした。
大変なのはわかっているけど、、、
でも、
兄も一緒に連れて行きたい!それが私の本心!
自分の正直な気持ちに踏ん切りがついた私は、ふと思いました。
「あ、ゴリラと海外旅行に行くと思えばいいんだ」と。
体格が大きくて力負けしてしまうし、会話も成り立たないけど、頼もしい一面もある。
唐突にバナナにテンションが上がっちゃうけど、冷静に物事を客観視してる時もある。
敵視する時もあるけど、仲間を大切にする思いやりもある。
これってゴリラじゃん。
うほほい。
世の思春期キッズに疲弊してる親御さん、ちょっとゴリラ眼鏡かけてみて。
ゴリラだしねー、しょうがないよねーって、くすって笑っちゃうから。
人としてダメな時は、全力で注意するけど、それ以外は見守れるように心の余裕ができました。
弟とも、今ゴリラ化してるから後での方がいいかもね、とサラっと受け流せるように。
結果、ハワイも一緒に行きました。
やっぱり行ってよかった。
見守ってくれた、お友達本当にありがとう!
まぁ、うほほいしてる時もあったけど、私が旅先で怪我して大変な時、重たいトランク2つを愚痴の一つも言わずにずーっと運んでくれました。どうしても性別的に男性の手を借りたい時も、弟のそばに付いていてくれて守ってくれました。
ね、かっこいいところもあるでしょ。うほ。
ボロ負けしても痛くない予算内に収めること
本題に戻ります。
WCSに留まらず、遠征すべてに言えることだと思いますが、ボロ負けしても痛くない予算内に収めることはとても大切です。
海外遠征という特に高額な大会に取り掛かる際は、さらにこの重要性も高まると考えます。
中には、辛く苦しい毎日に耐えやっと得た権利だったとしても、苦渋の決断でWCS参加を見送られる方もいます。そういう方を上辺の認識だけで決めつけ否定することは間違っていると私は思います。
また、こんなにお金をかけてあげたのに、と子供に勝利を求めるのも違うと強く思います。
ポケモンカードの性質上、運要素は切っても切れない関係性があります。
始めたばかりのプレイヤーは、努力次第で勝てそう、と思ってしまいがちなのですが、間違いではないけれど、限度があります。個人的な体感ですが、努力次第で勝ち上れるボーダーは、ジュニアリーグ選手の場合、ジムバトル優勝くらいでしょうか。
CLで予選抜け程度と想定する方が多いかもしれませんが、どんなに上手いプレイヤーでも意図しない不運によりCLで3回負けて強制ドロップする可能性はいくらでもあります。それくらい運要素を含んでいるゲームなのです。
また、シティリーグと仮定した場合、ジュニアリーグのシティを想定すると予選抜けは、まぁ可能かもしれませんが、優勝とまでなると、お互いがプレイミスをしない前提になるので、より強運を持っていた方が勝つことも多いです。
と、結局何が言いたいのかというと、親が子供に勝ちを求めすぎてはいけない、ということです。努力した分だけちゃんと報われる世界でもないのに、親が子供の勝利に固執しすぎると人生の本質を見失ってしまいます。
たとえそれがWCSという世界一を決める大会であっても。
今回は分かりやすく「予算内」という言葉を使いましたが、私たち保護者は、カードの購入や交通宿泊費など、ひとつの試合に対して多くの出費を伴っているはずです。
しかし、連れてきてあげたのに、お金や時間をかけてあげたのに、という「やってあげたのに感情」はタブーです。
努力した分だけ正当な成果を出してほしいのなら、はっきり言って、この業界は向いていません。
先ほどの話と重複しますが、子供は親の力を借りなければ生きていくことができず、本能的に親の顔色を見て学んでいく生き物です。
運要素の絡むこの世界で、親が子供以上に、子供の勝利に固執してしまうと、子供はどんな手を使ってでも勝利しなくてはならない(=生きていくことができない)、と考えるようになります。フェアプレーの精神からはどんどん離れていき、最終的に親はポケカさえしていなかったらこんな子にはならなかったはずだ、と思うことでしょう。
勝敗よりも大切にすべきことがある
他人事のように感じている方も、胸に手を当てて思い返してみてください。対戦から戻ってきた子供に対し、「おかえりー!勝った?」と勝敗を聞いていませんか?
勝敗、気になりますよね。めっちゃ分かります。
でも次のマッチングが出れば、必然と分かりますよね。
何よりも先に勝敗報告をするよう促してしまう行為は、どんなにフランクな言葉遣いだったとしても、ちょっとした洗脳と一緒です。
親のために戦っているわけではない、それが我が家のモットーです。
勝敗を聞くより先に、どうだった?と、試合で盛り上がったところとかを聞いてあげてください。
小さい背中を震わせながら頑張って戦って来たのですから、結果だけじゃなくて、過程を認めてあげてほしいです。
と、最近、CLの保護者席に居て感じることが多くなりました。
選手ファースト
もう少し「試合」について深堀りしていきます。
我が家は選手ファーストの精神があります。
特にWCSなど、大きな試合になればなるほど、その精神は色濃くなります。
WCSの試合は、BO3というのはご存じの方も多いのではないでしょうか?
日本のCLとは少し方式が異なります。
BO3については、こちらのリンクが分かりやすいです。
WCS2024ハワイでは、朝9:00の開会式をスタートに、その後休憩時間を挟むことなく試合が開始されました。
我が家は目立ったインターバルもなくDay1が終わり、帰宅可能となった時刻は何時だったと思いますか?
20:00頃です。
(※多少の誤差はご了承ください)
それでも当初予定されていた回戦数を消化しきれず、Day2の朝に持ち越しとなりました。
持ち越しとなったことも関係しているのか、
Day2も準決勝までノンストップで試合が行われ、この日も解散できたのは18:00近くでした。
どちらの日にちもジュニアはお昼ごはんの休憩がもらえましたが、3戦目まで続いていたり、ジャッジの介入により延長時間が付与されている場合など試合が長引いている際は、他の人と同じように食事休憩を取ることができません。
そう、とにかく体力勝負なんです。
自国の大会を勝ち上がってきた猛者しか居ない大会ですから、基礎体力だけでなく、集中力、精神力、も試されています。
朝から夜までずーっと集中してミスなく戦えることが求められています。
そんな熾烈な環境下において、保護者や引率者の意見・嗜好が優先される隙間など微塵もありません。
正直、豪族のように振舞われても癪に障るのですが、それが人として逸脱していないものならば、私は選手の意見をとにかく最優先させます。
例えば、
・誰よりも先にホテルで休ませる、
・移動の際は重い荷物は持たせない、
・しっかりとした睡眠を確保してあげる、
・必要以上にテンションが上がりっぱなしにならないよう声をかける、
・食べ慣れたおにぎり以外にゼリー飲料や軽食も持参する、
・飲み物は数種類を備えておく、
・食事を摂らなくても責めない、
・上着やカイロは常備しておく、
・コインやマーカーなど小さい備品はサブを用意しておく、
・試合中に親が会場内レイアウトを把握しておく、
・混んでいるトイレ空いているトイレを把握しておく、
・子供に伝えた待ち合わせ場所に極力在席しておく、
・怪しい動きのある選手を親同士で共有しておく、
・ホテルに戻ったら食事風呂睡眠をスピーディーに行う、
・ネガティブな発言は絶対しない、
・引率者が茶々を入れてきそうなら牽制する、
・本人が願掛けしているものがあれば意向に沿うように配慮する、
・スリーブの差し替えなど誰がやってもいい内容は親がやる、
・・・ちょっと引かれますかね笑
本人が負担と感じないならやってもらうこともあります。
絶対こう!と決めつけるわけではなくて、選手の顔色や体調を見ながら臨機応変に対応できるよう全力で備えておきます。
選手の後ろから応援する
試合中の外部サポートという分類でもうひとつ。
国内大会では保護者席が用意されていることもあって、親がどこに居ればいいのかが分かりやすいですが、WCSでは特定の保護者席が無いこともあります。あっても極端に席数が少なかったり不便な場所だったり。
選手スペースの近くまで見に行けることもあって、我が子の写真を撮りたくなる親御さんも多いと思います。
しかし、これら距離の近さ、というのは国内大会・WCS問わず、注意が必要です。
最悪、親の行い一つで子供が出場停止になってしまうことも。
TPCi(海外ポケカ)のルールブックは、日本のルールブック以上にペナルティや裁定について細かく記載がされており、冒頭からも解るようフェアプレー精神が重んじられています。
例えば、子供の目の先に保護者が居て、(頑張るからね)という意味を込めてうなずいたり、手を振ったりした場合、それがサイン行為ではない証明があなたや子供はできますか?
例えば、子供の勇姿を撮影しようとカメラを構えていた場合、そこに会場内全てのカードが映り込んでいない、誰にもリークしていないと一瞬のうちに証明できますか?
大げさすぎるかもしれませんが、多くの日本人はTPCi管轄の大型大会に慣れておらず、温度感がつかみ切れていないのが実状です。また、WCSともなれば、スタッフは世界中から招集されているので、価値観もバラバラ。時には差別的な背景で育ってきてもそれを事前に知ることはできません。
私たち保護者が、選手である子供のためにできることは、万が一にもそういう疑われる行為をしない、ということです。
ですので、私はなるべく子供の背中側から見守るようにしています。
シャッフルする際に横を向いても、万が一にも目が合わないように。
こそこそ話も伝わらないような物理的距離をとりながら。
とにかく負けないこと
今回行われたWCS2024ハワイでの戦績は、8勝1敗3引分(8-1-3)でした。
各マッチングにすると、こんな感じです。
最終戦以外は負けていません。
今回は「Day2へ進出するためには、1日目に18ポイント以上持っていないといけない」ということが予め分かっている状況でした。(公式から案内が出ていた)
勝てば3ポイントもらえて、引き分けなら1ポイント、負ければ0ポイントずつ加算されていきます。
Day1の8回戦全て勝てれば、何も心配ないのですが、「運要素のあるゲームの中で、もちろん不利対面もあるし、意図しない不運もあるだろうし、何よりここには自国を勝ち上がってきた猛者しか居ない。そう上手く事が運ぶようなプレイヤーはごくわずかで、ほとんどのプレイヤーは、勝ったり負けたりを繰り返すだろう」と私は考えていました。
となると、勝ちの3ポイントは、とても大きな数字となるだろうし、1ポイントというわずかな数字でさえ、貴重な数字になることが予測できました。
実際にBO3形式の大会では、必ずと言っていいほど、勝ち負けだけではなく、引き分ける選手がいます。国内大会では避けた方がいいとされる引き分けを戦略的に選択します。そこまでしてでも「1ポイント」の価値が高いのです。
では、戦略的に引き分けを選択する、とはどういうことかというと、
解りやすいのは「ID(アイディー)」と呼ばれる行為です。今大会でも活用されていた方がいました。(IDについてはここでは書きません。ネット検索してください。)
難しい仕組みだけれど、とてもメジャーな行為です。
他には、3試合目まで行う、というのも戦略的行為にあります。状況によりそのまま2連勝して試合を終わらせた方がいい場合もあるので判断が難しいですが、勝敗が付かないまま試合が終わることによってその試合は引き分けになります。戦略としてはありです。
他にも細かい戦略がありますが、ここには記載しません。
ジュニアリーグの子供達より、年齢を重ねた人の方がこれらの細かい戦略はより巧妙で上手だと思います。
引き分けることにより得た1ポイントは、当落線上になった時に真の力を発揮します。
選手はただ我慢強く、最後の最後までより多くのポイントを求めて予選を走り切ることで、最後の最後にやっとチャンスを得る可能性が見えてきます。いざ結果が発表されるその時まで、なかなか分かりづらいものなので、長く先の見えない不安な時間が続きますが、ここは信じるしかありません。
大事なのは「とにかく負けないこと」「1点の価値を正しく捉えること」です。
トロフィーまであとわずか
偉そうなことを綴ってきましたが、私にも反省すべきことがあります。
TOP8と言われて、お気づきの方もいるかもしれませんが、TOP8の選手というのは、「あの最後の試合に勝ってさえいればトロフィーを手に入れることができた」選手なのです。
トロフィー
次年度のWCS参加権利確定
トラベルアワード
賞金・賞品
など
TOP4からは「思い出」と一括りにするには足りない程の諸々を得ることができます。
我が家にとっての最終戦は、BO3の3戦目までもつれ込み、お互いが祈りながらカードを引くような攻防でした。
連日遅くまで試合が続き、時間が押しているせいか、Day2でもインターバルはほとんどなく、試合が終わってもすぐにそのまま次の試合の準備をしてと促され、かろうじて監視の下トイレに行かせてもらえるだけの時間が続いていました。ここまで来たのにくじけてたまるものかと根性戦ともいえる戦いでした。
そんな中、あと一歩足りず、息子は負けてしまいました。
頑張ったね、すごいね、と声をかけるも、私は内心くやしかったです。
一番悔しい思いをしているのは息子なのに、あと少しだけでいいから、何かできたことはなかったかと考えてしまうほどに。
言葉でいくら褒めていても、おめでとうと言っていても、顔に出ていたんだと思います。
息子に「頑張ったよね?初戦で引き分けてしまって、残りずーっと勝つしかないってなってからも頑張って戦って、世界大会のTOP8ってすごいよね?」と。
言わせてしまった。
一人でこの悔しさを受け止めるには耐えきれなくて、何人かの親御さんに聞いてもらってしまったけれど、息子の一言で猛省しました。この戦績の価値を決めるのは、他でもない息子自身だと学ばせてもらいました。
親としてどこまで介入するか
そう、懸命にサポートしすぎるあまり、いつの間にか一緒に戦ってるような気持ちになってしまうけれど、どんなに献身的にサポートしていたとしても、選手(子供)あっての保護者なんですよね。
今回は選手が小学生だったこともあり、私の中ではわりとべったりサポートしていました。
そりゃあウザがられるほどに。
大会の日だけでなく、SNSから情報を拾ってきたり、イベントに連れまわしたりしていました。
でも、もし対象の選手が小学生より大きな子供であるならば、これらの方法はおすすめしません。彼らの多くは目先の結果よりも自分の力を最大限活かして認められることを良しとしているからです。
どんなに年齢を重ねて大きくなっても、親から見たら子供は子供なので、もどかしく感じることも増えますが、大きな子供相手に結果を急かすことは時に酷かもしれません。
結果が付いてこず泣いている姿を見ると、つい手をかけてやりたくなりますが、本人が求めてくるまでは手を貸さないように心がけるようになりました。
かっこよく言えば、育児の引き算です。
文章からもお分かりいただけるように、私は典型的なA型なので、この諦めへの抵抗を減らす行為に、私はずいぶんと時間がかかってしまいましたが、あれこれ手をかけすぎると良くないことも学んだので、今はがんばって耐えているところです笑
子供自身が自分で考えて頑張った結果、それが報われなかった時、挫折を糧にするための時間が特に中高生には必要なんですよね。もどかしいけども。
番外編2【マネの極意】
「にこまさんの遠征プランは抜け目が無い」と先輩パパさんに褒めていただき、気分良く調子に乗っています。
半分は社交辞令なのもちゃーんとわかってますよ。半分ね。うほ。
保護者様の多くは、私以上に華麗なる遠征プランを組まれていると認識していますが、今日の私は調子に乗っているので、WCS遠征のマネージャー視点で考えていることを端的に羅列していきます。先輩方から見たら初級レベルだと思うのでスルーしてくださいね。
食事も環境読みを怠るな
海外遠征初級者向けに、補足メモを足していきます。
慣れない土地で力を発揮しようとする選手にとって、食事はとても大切なものです。
ある程度年齢を重ねた読者なら、栄養バランスが崩れた生活を送っていると、明らかに体にガタがくるのを感じたこともあるはず。。。
もうね、残念ながら、寝れば治るとか、そういう域じゃないんだよね。
若い子は気が付きにくい&回復が早いだけで、栄養摂取は大切であると私は考えています。
とはいえ、あれもこれもと持っていくことはできません。
持ち込み規制品もあるし、ストレスで食事が摂れなかった時に罪悪感が生まれない程度の量がいい。料理をする時間が無いかもしれないし、現地の食事がすごーく美味しいかもしれない。
それに、普段から料理を担当しているか否かでも分かれますよね。
私の場合は、普段料理を担当していますが、夜まで働いていることが多く、ズボラで、かつとても庶民的なタイプです。
海外遠征先では、大会終了までは極力信頼できる現地の飲食店のみを利用し、大会中は日本から持ち込んだ食品のみを口にし、大会が終わったら現地のローカルを楽しみに出かけることが多いです。
ロンドン遠征の時は、お国柄でしょうか、ホテルに大きな冷蔵庫や電子レンジなどが備わっていないことが多かったので、費用を考慮しアパートメントホテルを活用しました。
ハワイ遠征の時は、そこそこ安いホテルでも日本のホテルと同様な設備が主流でしたので、中長期向け宿泊者用のホテルを選択しました。
私は部屋を選択する際に、
・電子レンジがあるか
・冷蔵庫に飲み物は入るか
・お湯を沸かすことはできるか
・洗濯をすることは可能か
・エアコンはついているか
を確認しています。
侮るなかれ、電子レンジ最強ですよ。
海外のコーヒーメーカー等のポットは、衛生面で基本的に信用していませんし、レトルトご飯を湯煎ではなく数秒でチンできる環境があると、複数人での滞在でもスピーディーに食事にありつけます。
調理器具を駆使すれば、ただ温めるだけでなく、様々な調理が可能です。
ごはんが炊けるのはご存じの方も多いはず。
肉買って焼いたり、ピザ焼いたり、しっかり火を通せば目玉焼きも怖くない。
こちらは我が家の調味料ティア1
砂糖・塩・醤油・ふりかけ・ハーブソルト・わさび、ステーキソース、油、は鉄板です。
あとは、個人的に青汁は高評価です。
圧倒的に野菜の摂取量が減るので、腸内環境をサポートします。
子供向け青汁はフルーティで苦みが少ないものも多く、牛乳で割るとただの抹茶オレに変身します。
食品としては、レトルトご飯、ビーガンカレー、カップうどん、味噌汁、
大量のラムネ、は我が家の主要レギュラーです。
絶対に持っていきます。
あとは旅先の国で入手しづらそうなものを重点的に持っていきます。
肉や乳製品、果物、ピザやパン、デザート系は現地でも比較的簡単に安価で手に入るので、持っていく食品はシンプルな日本食をチョイスすることが多いです。
あと、現地のスーパーは事前に口コミまでチェックしておきます。主婦にとってスーパーは一種のアミューズメント施設なので笑
うちだけかもしれないけど、お菓子はあまり持っていきません。ラムネでお腹いっぱいになっちゃうし、現地のお菓子を買って、これ甘―い!やばー!ってするのが楽しいので。
持って行ったけれど、使いきれなかったものも、もちろんあります。お友達にあげたり、いただいたりして調整します。
実際のかかった費用
覚悟はしていたけれど、帰国後は怖くてカードの利用明細をしばらく見れませんでした。今回のハワイ遠征時は、1ドル150円程度。現地のハワイ州では昨今の物価高が社会問題になるほど深刻な状況でした。
が、それでも行く!行きたい!と決めて手に入れた参加権利だったので、我が家は迷わずGOです。
初めてWCSに触れて、これからどうしようかと感じている後輩ママパパの参考になるかは分かりませんが、ざっくり参考程度に記載しておきます。
我が家の場合は、全部自分で予約を取ります。
その方がカスタマイズ性が高く、何より離発着日に縛りが無いからです。
ではざっくりと。
ハワイ/8泊10日/母と子2人(小学生と高校生)
あー知りたくなかった。できることなら一生目を背けたかった。
円安やばいよね。桁がおかしいもん。
子供が帰ってきて、お腹いっぱい牛丼食べて、デザートも買って、「え、これで3ドル?!大丈夫?!」ってキョトーンとするくらいおかしいもん。
行く人の人数によってだいぶ違いが発生していると思うので、自分と同じ家族構成や日程の人と比べた方が参考になると思います。
いつもありがとうございます。
あの奇跡的な優勝の後、記事にも書きましたが、続けていくことは予想通りとても大変でした。何者でもなかった普通の小僧があの輝きを一度知ってしまうと、また!もう一度!今度こそ!と思ってしまうけれど、感染症の流行や、大会形式の変更などのあおりを受けてしまい、当然、思うように結果が出せない日も続きました。辛いことの方が多くなってしまって、思い切ってポケカを辞めた年もありました。
勝ち続けるって大変。
それでも復帰後、またこうしてポケカができているのは、受け入れてくれたお友達がいたからです。シャイで口下手な息子と、ちょっと調子に乗りすぎる私を、絶妙な距離感で見守ってくださいました。(もちろん長男も!)
家族やお友達だけでなく、お世話になっているお店の方、大会を開いてくださっているジャッジやオーガナイザーの方、いつもポケカを盛り上げようと奮闘してくださっている公式の方々、そういったたくさんの人達の力をお借りして、この結果を得ることができています。私たち家族だけでは、ここまでの結果は出せませんでした。ポケカの世界は、対戦をしない私にもポケカ友達ができるくらい、温かい人たちで溢れています。
いつもありがとうございます。
WCS横浜のパブリックビューイングで、「次年度の開催地はハワイ―!」を見ていたのですが、いいねーハワイ、きれいな海で遊びたいね、という私の脱線しまくりな一言に、一年間全力で応えてくれた息子あってのWCSハワイ。うちの子ほんと親孝行だな。
ポケカしてなかったら、こんなに私の人生は色鮮やかじゃなかったと思います。
ジュニア最後の年を最高の舞台で締めくくれて、幸せでした。
この先、あなたが頑張りたいと願う限り、ママはいつでも全力で応援します。
ありがとー!!!!大好き。
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