【小学生の私】算数の時間
小学生の私シリーズ、こちらもぜひ。
(シリーズ化しようとして始めたものの、全くできていない)
負けず嫌いで
なんでも1番がよかった小学生の頃の私は
どうやらかわいくなかったようで
「あかまめちゃんってさ、かわいげないよね」
とクラスメイトに言われていた。
同い年の子にそう言われるのは違和感を持ちながらも
「そっか、私、かわいくないか〜」
とぼんやり納得していた。
そんなあかまめは小学5年生の算数で「垂直と平行」を習った。
平行は永遠に交わらない線で
垂直は直角に交わる線。
算数の時間、担任の先生はみんなの前で言った。
「今〇〇君が言ってたけど、平行でも、ほんの少しでもずれていたらいつかは交わるんだよ。そうなんだよね、すごいよね」
クラスみんなの前で褒められる〇〇君。
私は床と垂直に手を挙げて、大きな声で
「どれだけ時間がかかっても交わってしまうのなら、それは『平行』ではないじゃない!」
と、言いたかった。
言わなかった。
そんな「かわいげのない」小学5年生のわたし。
〇〇君はその後、日本で1番だか2番だかと言われる大学に進学した。
つまりきっと彼は
私の学力では到底想像できない高尚なことを言っていたんだ。大きな声で反論しなくてよかったね、私。
とはいえ、
それから長い長い年月が経ったけれども
大人になってしまった今でも思う。
交わるのなら「平行」ではない、と。
いまだに、かわいげのないわたしである。
ところで、ムキムキマッチョで体育会系の爽やかイケメンの当時の担任の先生
お昼休みは筋トレをしながら歯を磨くほどストイックだった彼は今どこでなにをしてるんだろう。
互いに交わることのない平行な線の上にいるのか、
ほんの少しでも内側に傾いた線の上にいるのか
もっとも、仮に街中ですれ違っても
長い長い年月のせいで
互いに気づける気はしないけれども。悲しいかな。
おしまい。
読んでいただきありがとうございました。