【N◎VA】「藤咲竜二」というNPC、その経歴
■はじめに
藤咲竜二。
基本ルール『THE AXLERATION』に載っている、公式NPC。
このキャラクターは「トーキョーN◎VA」初期から登場しているキャラクターで、いまだに死ぬことなく生き残っている稀有なキャラです。
藤咲竜二は複雑な過去を持っています。今回は、竜二の過去について書いてみようと思います。
手もとにあるルールブックやサプリメント、シナリオ集などを見ながら書いていますが、間違っている部分もあるかもしれません。大まかに、流れだけ追っていただけると助かります。
この文章で、竜二の過去を把握し、ロールプレイにいかしていただければさいわいです。
■生まれ
藤咲組組長の実子として生まれますが、ヤクザを嫌い、ブラックハウンドへ入隊します。
竜二の物語はブラックハウンドに入ってからはじまるため、幼少期のことはよくわかりません。
■ブラックハウンド時代 前期
新人隊員として活躍していた竜二は、“汚職警官”レンズ(のちの稲垣光平)や“暴力警官”ゼロ(のちのレイの養父)にもまれながら成長していきます。
ブラックハウンドはバッジの形状から「黄金の猟犬」と呼ばれていますが、竜二は子犬という意味をこめて「ゴールデンパピー」と呼ばれ、先輩のからかいの対象となっていました。
“親父さん”オメガ(*)が隊長を務める当時のブラックハウンドは、無軌道な隊員ばかりで市民からは嫌われつつも頼りにされていました。それは、オメガ自身に確固たる“正義”があったからです。その下で働くことのできた竜二は、幸せだったとも言えます。
*“親父さん”オメガ
オメガ、の名からわかるとおり、超AIのひとつ。今はアルファ=オメガとして動いています。アルファ=オメガからたまにおっさんくさい台詞が吐かれるのは、隊長時代の癖が抜けきらないのだとか。
■ブラックハウンド時代 後期
ですが、テロによってトーキョーN◎VAの都市機能が停止し、鎖国日本から通称「N◎VA軍」がやってきたことで、ブラックハウンドも変わっていきます。
オメガ隊長はどこかへ消えてしまい、代わりに隊長となったのが“マスター・ハウンド”レンズです。そう、あの“汚職警官”レンズです。レンズが隊長に大抜擢される一方で、ゼロは冷や飯を食わされることになります。
市民から嫌われていたものの、頼りにもされていたブラックハウンドでしたが、オメガのような信念を持たないレンズが隊長になったことで、ブラックハウンドは汚職まみれの組織に変貌していきます。ブラックハウンドが市民から心底嫌われた時期も、この時期です。
システム上でも「イヌのキャラクターをするならSSS(民間警察)所属を推奨する」と書かれたほどなので、当時のブラックハウンドは「PCと敵対する存在」だったのかもしれません。
そんな中でも、藤咲竜二は“正義官”として踏みとどまり、自分の正義を貫き悪をくじき、市民を助けるために努力を積み重ねていきました。
ですが、レンズの私兵と化すブラックハウンドに見切りをつけ、他の実力ある隊員たち同様、ハウンドをやめてしまいます。
恋人“地球の声(ヴォイス・フロム・アース)”粕川うらら(*)を失ったことも無関係ではないでしょう。
余談ですが、このころの竜二は超絶イケメンなので、『トーキョーN◎VA The Revolution』を持っている方がいたら見せてもらってください。
*“地球の声(ヴォイス・フロム・アース)”粕川うらら
当時、トーキー(記者)といえばこの人、と呼ばれた女性。
実は公式シナリオに登場しているキャラクターで、PCの判断によっては生き残る可能性もありました。ひょっとすると、今もどこかでひっそりと生きているかもしれません。
■探偵時代
ブラックハウンドをやめた竜二は、探偵となります。これは尊敬する母と同じ道だったようです。
ですが、このころの竜二は小さな依頼をせこせことこなす、うだつのあがらない探偵であったように思います。
ただ、自分の心を偽らずにいられたこの時期は、彼にとってオメガ隊長のもとにいたときと同じように、幸せなときだったのかもしれません。
ちなみにこのときの竜二の二つ名は“正義屋”。仕事は変われど、やりたいことは変わっていなかったことがうかがえます。
■藤咲不動産社長(藤咲組組長)
探偵業が軌道に乗りはじめたころ、竜二は藤咲組の窮地を知ります。古参の組員が抗争でバタバタと倒れ、河渡連合会長・音羽南海子がどこの誰ともしれない人間を藤咲組の組長にすると言いだしたとき、組員は竜二を頼りました。戻ってきてほしい、と。
竜二は実家が南海子の傀儡になることをさけるため、藤咲組の組長となります。嫌っていたヤクザの世界ですが、業界の事情やしきたりに明るかった竜二は、すぐに頭角を現し、アサクサの市民から慕われる存在となります。また、藤咲組傘下の組からも信頼を勝ち取っていきます。
このときの竜二がどう思っていたか、それは誰にもわかりません、否応なしに巻きこまれ、実家のために探偵をやめるはめになった彼の気持ちはどうであったか。
しかし、竜二のスタイルに「フェイト」が消えていなかったことから、やはり根は変わらなかったのだと思います。
■そして河渡連合会長へ
『THE AXLERATION』で、竜二は藤咲組組長兼河渡連合会長となります。
実は、どういう流れで会長になったのか、という点についてははっきりとしていません。ただわかっているのは、前会長・音羽南海子(*)を追いだし、会長になったということだけです。
その後、河渡白夜と深い関係になりますが、蜜月はすぐに過ぎ去り、いまや一触即発の状況となっているようです。少なくとも、まわりからはそのように見えます。
*音羽南海子
このキャラクターも、「トーキョーN◎VA」初期から生き残っているキャラクターでした。ですが、途中でカゲムシャ「弁天」が本物の南海子を追いやり、会長となります。竜二は南海子が偽者であると見抜き、追いだしたか殺害したものと思われます。
本物の南海子がどうなったかというと、大怪我を負った彼女は記憶を失い、「ヘカテ」というカブトを名乗ります。その後、“闇の殺人者”夜叉(当時最強と言われた殺し屋)といっしょになったと言われていますが、定かではありません。
■終わりに
藤咲竜二の半生をかいつまんで書いてきましたが、いかがでしたか。
もし、今後発売されるサプリメントや過去のサプリメントで書かれていることが、ここに書かれていることと矛盾する場合、公式のサプリメントの記述を優先してください。
ですが、流れ的には、おおむね間違ってはいないと思います。
竜二は複雑な過去を背負ったキャラクターです。
その過去の一端でも知ることができれば、今後竜二をどのようにあつかうか、変わってくるかもしれません。参考にしていただければさいわいです。
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