最近のネット上での議論は「会話を成立させなければ勝ち」な風潮が有る
「会話を成立させなければ勝ち」
最近のネット上での議論、この場合の議論とは「意見・思想の対立する者同士の議論」、特に「フェミニスト VS アンチフェミニスト」の議論の話だが、では、「会話を成立させなければ勝ち」という考えが主流になっていると感じた。
須藤エミニというフェミニストVtuber
須藤エミニというフェミニストVtuber
皆さんは、須藤エミニというVtuberをご存知だろうか?
「フェミニストVtuber」という肩書で2020年2月29日からYoutubeで活動を始めた(最初の動画の投稿日が2020年2月29日の)人物だ。
2023年の秋頃から、毎週日曜日の22時から「今週のフェミニズムトピック」という、フェミニスト視点で問題が有ると思った事について須藤エミニの見解を語る雑談配信を行っている。
2024年3月17日(日)の雑談配信での出来事
2024年3月17日(日)の「今週のフェミニズムトピック」(雑談配信)で、面白い出来事が起きていた。
事の発端は、2024年の「国際女性デー」(2024年3月8日(金))の話。
2024年の「国際女性デー」に何が有ったか
先ず、2024年の「国際女性デー」(2024年3月8日(金))に何が有ったかを説明する。
2024年の「国際女性デー」に、国連女性機関(UN Women)がイギリスのアンバサダー(広報大使)に、トランスジェンダー女性を任命したという出来事が有った。
これに合わせてかどうかは定かではないが「UN Women」の日本支部が2024年の「国際女性デー」に合わせて、「トランスジェンダー女性も女性である(ので、トランスジェンダーの権利も尊重するべきである)」という主旨の声明文を発表した。
そして、「UN Women」の声明に合わせてかは定かではないが、2024年3月8日(金)に、朝日新聞は「国際女性デー」に寄せて、トランスジェンダー女性にインタビューした「トランスジェンダー女性も女性である」という主旨の記事を掲載した。
こうした出来事が有り、フェミニストが仲間割れ・内ゲバを始めた。
「トランスジェンダー女性も女性であると認めるべきである」と主張するフェミニストの派閥と、「トランスジェンダー女性を女性と認めて女性が立ち入って良いエリアに入れる事は、トランスジェンダー女性が女性のための場所を奪う行為である」と主張するフェミニストの派閥に分かれ、フェミニスト同士が争いあう状態になった。
「トランス女性≠女性」派の須藤エミニ
上記の、2024年の「国際女性デー」の出来事が有った後、「トランスジェンダー女性を女性と認めて女性が立ち入って良いエリアに入れる事は、トランスジェンダー女性が女性のための場所を奪う行為である」と主張するフェミニストの一人である須藤エミニは、その立場から、トランスジェンダー女性を女性と認める事を否定する内容の主張をTwitter上で展開した。
その結果、「トランスジェンダー女性も女性であると認めるべきである」と主張するフェミニスト達から多くの批判・反論を受ける事になった。
そして、それに対して「トランスジェンダー女性も女性であると認めるべきである」派のフェミニストから批判を受けると、須藤エミニは「そもそも、トランスジェンダー女性を女性と認めるべきである派の人達は何を以て「女性を女性と定義しているのかを聞きたいので、誰か私のYoutubeLiveに上がって説明したい人はいませんか?」と、音声配信で議論する人を募集するツイートを行った。
しかし、この募集に対し、トランスジェンダー寄りのフェミニスト達は「(須藤エミニの)やっている事がフェミニストから議論相手を求めていた青識亜論と同じ」と批判し誰も乗る事は無かった。
結果、2014年3月17日(日)に須藤エミニはいつもの雑談配信を行うに至った。
2024年3月17日(日)の雑談配信
多くの批判・反論を受ける事になった須藤エミニは、2024年3月17日(日)の雑談配信で、それらの批判・反論に対する反論を行おうとしていた。
その雑談配信のコメント欄に「須藤エミニと音声通話で議論したい」という人が現れたことで、この配信は面白い展開になった。
3時間34分という長時間の配信だが、この動画を是非観て欲しい。
【フェミニズム雑談】#21 "他称"彼氏いない歴=年齢女の雑談配信です。【須藤エミニ / フェミニストVtuber】
「会話を成立させなければ勝ち」
「会話を成立させたら負けなゲーム」
この配信を見て、私は、最近のネット上での、特に「フェミニスト VS アンチフェミニスト」の議論の話では、「会話を成立させなければ勝ち」という考えが主流になっていると感じた。
「須藤エミニと音声配信で議論したいという人物(ヨネダという名前らしいので、以下、「ヨネダ」と呼称)」と須藤エミニの双方とも、終始敢えて(わざと)相手と会話を成立させない様に言葉を選んで発言していると感じた。
須藤エミニとヨネダの両名とも、頭は悪くないのだろう、頭が悪くないから敢えて会話を成立させない会話をしている。
まるで「会話を成立させたら負けなゲーム」をしている様に見える。
双方とも、核心的理由を言わない
青識亜論と須藤エミニとヨネダの3人で音声配信で議論したいと提案するヨネダと、青識亜論が居る場では議論したくないと断る須藤エミニ。
上記の動画をご覧いただければ解るが、ヨネダは「青識亜論が居る場で議論したい核心的な理由(青識亜論が居れば勝てるから)」を説明できておらず、須藤エミニは「青識亜論が居る場では議論したくない革新的な理由(青識亜論が居れば負けるから)」を説明できていない。
双方とも、核心的理由(青識亜論が居る場で議論すれば「勝てるから/負けるから」)を言ったら負けだから、核心的理由を言わずに
として3時間近く「会話を成立させたら負けなゲーム」を延々続ける形になっている。
ヨネダは「3人での音声配信を須藤エミニが承諾したら、核心的理由を述べて須藤エミニを詰めるつもり」で話をしていて、
須藤エミニは「ヨネダがが青識亜論抜きで1対1での議論をする意思を見せたら核心的理由を述べてヨネダを詰めるつもり」で話している。
両名に相反する意図が有るため、「会話を成立させたら負けなゲーム」になっていると感じられた。
須藤エミニとヨネダに限った事ではない
このやりとりに関して、私は思った事が有った。
このやりとりは、「須藤エミニとヨネダ限った話ではない」ということ。
Twitterを見れば、「フェミニスト VS アンチフェミニスト」の議論と称したやり取りは今でも沢山出て来るし、沢山togetter上でまとめられているが、それらの大半は「会話を成立させたら負けなゲーム」が行われ、双方とも
「フェミニストは話の通じないやばい奴らだ」
「アンチフェミニストは話の通じないやばい奴らだ」
という結論になって、フェミニストはフェミニスト内でアンチフェミニストに対する敵意を増幅させ、アンチフェミニストはアンチフェミニスト内でフェミニストに対する敵意を増幅させる、という流れの永久機関が出来ている。
フェミニストも、アンチフェミニストも、相手の提示する前提に合わせた議論に応じようとしないから「会話を成立させたら負けなゲーム」が永遠に続いていく流れになっている。
前々から言っている事だが、フェミニストとアンチフェミニストが議論するためには「どちらか片方が、もう一方の提示する前提に合わせない限り議論が成立しない」「しかし、前提をどちらかに合わせた議論は、前提を相手に合わせた側が議論する前から負けが確定する議論になる」ので、どちらも相手側の提示する前提に合わせようとは一切しない。
これが、フェミニストとアンチフェミニストの間で議論が成立しない最大の理由である事は明らかだ。
よく、Twitterで、フェミニストがよくやる行動として、アンチフェミニストの間でネタにされている「お左翼ルール」
これは、お左翼(フェミニスト)側が「こちら側が提示する前提に合わせて議論できないなら議論しません」という意志表示をしている点で、「フェミニスト VS アンチフェミニスト」の議論が「会話を成立させなければ勝ち」という考えが主流になっている中でアンチフェミニスト側がフェミニストを風刺した画像ともいえる。
実は「ストーカーへの対処方法」
「会話を成立させなければ勝ち」は「ストーカーへの対処方法」
私はこの「会話を成立させなければ勝ち」という概念をTwitterやインターネット上ではなく、別の場所で聞いた事が有る。
ある女性が男性ストーカーにつきまとわれる様になり警察に相談に行った際、警察が「ストーカーへの対処方法」として、その女性に教えた事が
「ストーカーとは絶対に会話を成立させないで下さい」
だったという話だ。
その方法を教えた警察官は、「それまでに数多くの(男性から女性への)ストーカー事件に対処」していて、その経験上対処した案件の8割以上が
「(男性から女性への)ストーカーというのは、(狙っている女性と)会話を成立させる事が出来れば勝ち」だと思っている男だったそうだ。
なので、「(男性から女性への)ストーカーへの一番効果的な対処方法は、絶対に会話を成立させない上で、ストーカー法廷に持ち込んで法律で裁く」だそうだ。
つまり、須藤エミニが上記の動画の中で取っている「会話を成立させない」という対応は「ストーカーに対処する女性としては正解」だが「議論を求めるフェミニストとしては不正解」ということになる。
石川優実も、この「(男性から女性への)ストーカーへの一番効果的な対処方法は、絶対に会話を成立させない上で、ストーカー法廷に持ち込んで法律で裁く」を本人がこの対処方法を知っていたか否かは定かではないが実行して、青識亜論という(石川優実から見た場合)ストーカーに、実質的に今後接触禁止(今後、青識亜論は石川優実に関して言及する事を禁じる)という判決を得たわけだ。
アンチフェミニストを「ストーカー」と認識している
これらの事から解るのは、フェミニストは自分達が自覚しているかどうかは別として(自覚している場合も有れば無意識な場合もある)アンチフェミニストを「ストーカー」と認識する傾向が増えているということが、最近の「会話を成立させたら負けなゲーム」が流行っている流れから見て取れる。
そして、この流れは最早留まる事が無いであろうから、フェミニストとアンチフェミニストが会話や議論を成立させられる場所は、今後は“法廷だけ”になっていくのだろうと私は考える。
この流れは、止める事はできないだろう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?