「霧」とは 9/13
霧とは
空気中の水蒸気が冷えて凝結し、多数の水滴となって空気中に浮かんでいるものです。雲と同じなのですが、地面と接しているものを霧といいます。
もう一つ、靄(もや)との違いは、
見通せるのが1km以上なら靄。
1km以内なら霧です。
霧は春のイメージがありますが、これからの季節によく見られる霧は内陸部で発生する霧が多くなります。
秋の晴れた夜、盆地全体を覆うほどの大規模な霧が発生します。盆地は周囲を山に囲まれていることで、空気の入れ替わりが少なく、放射冷却現象による気温の低下が大きくなり放射霧が発生するのです。
日本は山に囲まれた地域が多いですから、きっと有名な所をご存知だと思います。
霧の種類
放射霧
地面は海面より熱容量が小さく、暖まりやすく冷めやすい性質があります。
天気が良く風が弱いと、夜間の地面温度は放射冷却により熱を奪われて、気温が下がります。冷たい地面に接している地表付近の大気は冷やされ、水蒸気が凝結。
これを放射霧
天気予報でよく言われる放射冷却で朝は寒い
*放射冷却とは簡単に言うと風呂の風呂の蓋を開けていたらお湯が冷めることです。上のように天気が良く風が弱いと、地上の熱がどんどん冷えて行きます。雲があればせき止めてくれるのですが。
そして、その時なんで霧が発生するか。
同じ水蒸気量でも冷えると水滴になりやすいからです。霧ができても風があると吹き飛ばされてしまいますが、天気が良く風が弱いと放射霧が発生するわけです。
移流霧
冷たい地面や海面に、暖かい湿った空気が移動して冷やされ、水蒸気が凝結して発生する。
これを移流霧
下から冷やされて発生する霧で北海道などでの海霧が有名です。
蒸気霧
暖かい水面や海面上に相対的に冷たい空気が移動して、その地表面に接地して空気を冷やすことで発生する霧を蒸気霧。
風呂やお茶の湯気と一緒
どれも水蒸気が冷やされて水滴になる霧ですが、冷やされ方で霧の名前が変わっています。
ちなみに「かすみ」は、空気中に浮かんでいる細かい水滴やちりなどのために遠くがぼんやりとしていて、はっきりと見えない現象です。
「霧」「もや」「煙」「遠い山にかかった低い雲」などを指して一般的に「かすみ」といっていますが、気象学的にはっきりと定義づけられている「霧」や「もや」と違って気象用語としては使われません。
「かすみ」が発生している状態を表現する「たなびく」は、「かすみ」や「雲」にはいいますが、「霧」にはいいません。
これに似た表現で「たちのぼる」は、「霧」や「雲」にはいいますが「かすみ」にはいいません。「かすみ」は夜には使われず、夜の現象は「朧(おぼろ)」と呼んで使い分けています。
俳句では、「霧」は秋の季語であり、「かすみ」は春の季語です。
*NHK気象ハンドブック*より
正岡子規の霧の句
いつの間に船やそろひし霧晴れて
かけ橋や霧の底より水の音
かけ橋や霧の底行く水の音
こき行けは霧にものるや渡し船
こき行けは霧にうきけり渡し船
そよそよとすすき動くや晴るる霧
ともし火や霧に並ひし村百戸
気象衛星ひまわり水蒸気画像
おはようございます。今朝のこちらは曇り空。
そちらはいかがですか?
台風の影響で沖縄や九州方面は雨のようで、全国的に雲の多い日です。
昨日、この記事書いていたのに投稿忘れて途中で止まってました。いかに一日勉強もせず、なにもしなかった。。。というのがわかった朝。
それでも、今日もいい日でありますように、元気にお過ごしください。