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私に必要なのは「半分、減らす。」ことだった

近頃、個人経営の本屋さんへ行くことがめっきり減ってしまった。

欲しい本があり、初めての本屋さんに立ち寄った。看板猫ちゃんがいる個人経営のお店。手描きのポップを見ながら吟味する。
SNSで見つけた欲しい本を、見つける。
読みたかったその本をレジに持っていこうとして止まった。
せっかく来たのだから何か普段買わないような本を読みたい、と思った。

そこで目に留まったのが「半分、減らす。」だった。

帯には『物、消費、情報、仕事……より少なく、より豊かに。』と書かれていて、私は近頃、スマホの触りすぎを気にしていた。特に、SNSの見過ぎ。一度、アプリを立ち上げると、後悔するくらいの時間をスマホに費やしてしまっていた。

『情報』についての捉え方は変わり、スマホを放っておく時間が増えた。ついついスマホを手にしても、止められるようになった。読書の時間や、家事が少しだけ効率的になって、嬉しい。
これだけで、私にとって、この本は価格以上の効果を生んでくれた。
物欲に溢れがちな私を、いろんな言葉や方法が、止めてくれている。

でも、特に意識が変わったのは『食事』だった。
『食事の量を半分に減らしましょう』という項目で、『食事』の時間そのものが変わった。

ひとりの食事は苦手です。
外食だと何かに追われるように、食べがち。自宅だと、作るのは時間がかかっても、食べるのはほんの数分。昼ご飯をガッツリ食べたら眠くなるし、私は量が少なすぎると夕方にはクラクラしてしまう。低血糖気味らしい。

この本では『まず3口をゆっくりていねいに食べましょう』と推奨されています。
意外に感じたのが、匂い。食べ物の匂いを"嗅ぐ"って意識しないとしていない。おいしそうな匂いを嗅ぐと、食事が出来る期待感からか、よだれが出てくる。その状態で食べると、いつもよりおいしく感じる。味わおう、と思える。

じっくり味わうように意識するようになったら、腹持ちが良くなり、間食もなくなった。夕食も少なくて済むようになった。最近は、昼食は小さなお弁当で、夕食は汁物のみです。それで朝まで持つことにビックリしています。大量の下味冷凍の肉や魚たちが眠っているというのに……。作りすぎ。
この"スーパーでの大量買い"についても、本書で触れられていて、仰るとおりです、という気持ち。

禅僧でもある作者はお寺での修行についても触れている。印象に残ったのは、お寺では、鐘の音を合図に起床したら、それからたった7分で用意を済ませて、朝のお勤めのお経を読むらしい。
7分!?
私が、起きるのシンドイよ~とか言っているだけで7分なんて過ぎてしまう。この本を読んだことを機に、すこしだけ、朝の時間をちゃきちゃき過ごせるようになった気がします。

【半分、減らす。】
著 者:川野泰周
出版社:三笠書房
発行年:2021


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