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鹿野の台地を潤す潮音洞

山口県周南市鹿野の古刹・漢陽寺の裏山に掘り抜かれた用水路である潮音洞ちょうおんどう

台地という地形のため、水に恵まれなかった鹿野の町は、かつては低い位置を流れる川まで、何往復もしながら生活用水を確保しなければならず、大変苦しい思いをしていたそうです。

その状況を憂えた岩崎想左衛門重友いわさきそうざえもんしげともという人が、鹿野台地の水田開作と生活用水のため、私財を投げうって掘り抜いたのがこの潮音洞なんです。

周南市役所鹿野総合支所前の、岩崎想左衛門重友像

トンネルは約89メートル、と聞くと、さほどの距離でもないように思われますが……このトンネルが掘られたのは、今から370年以上前のこと。

当然、機械などあるわけもなく、また測量技術も発達していないという当時の技術レベルでは、かなりの難工事であったことが想像されます。

村人たちの協力を得ながら、4年の歳月をかけて完成したこの潮音洞を通る水のおかげで、多くの水田が開作され、また住民の生活用水も充足されました。

流れる錦川の水

この潮音洞には、何かの文言を刻んだ石碑が掲げられています。
写真に撮ってみましたが、文字が薄れて何と書いてあるのかははっきりせず……。

漢陽寺本堂の裏山に掘り抜かれた潮音洞の様子も、漢陽寺に拝観した際には、ぜひご覧いただければと思います。
潮音洞の水の流れを、動画でもご紹介しています。


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