人生100年時代を生きる転職の在り方
言われて結構久しいが、人生100年時代となんやかんや謳われるようになった。ただ、最近はこれが言われるほど人間の寿命は延びて行かないのではないかとも思う。健康という大事な物を握りしめる中、少し働き方について言及しようと思う。
私は大きく体を壊したことは無いが、自他共に認めるほどのヘビーワークをしてきた時があったのではないかと思う。
転職の良い側面ばかりが言われる昨今、正直悪い面にフォーカスされていないと思うので、これを言うと、まず第一に異様にストレスがかかるということである。
ストレスは人間の大敵であり、どの医者も「最近ストレスあります?」とか聞いてくるのだが、そもそも私の人生でストレスが無かった時などほぼない。ただ、その中でも転職したての時や、異動の際にはかなりのストレスがかかったと思い返せば思う。
そして体を壊しかけた時は40歳の半ばとなる今までで3回。どうやらこの辺りが現状の体調不良の根源と言えそうだ。
私の四捨五入すると80になる親に伝えると、叱られたことしか記憶にない父から「頑張ってきたもんな。そろそろ休んだらどうや」と言う言葉をいただき「そうね。少しペース落すわ。働かんわけにはいかんけど」と返した。団塊の世代真っ只中の父からすると、そして私も思うのだが、現代の人の方が昔よりもある意味ストレス度は非常に高い。
それは常にスマホなどにより業務中は監視され、システムは使うための構築はいわずもがな、使いだしてからの効率性の重視も含めDXという名の地獄が付き纏う。便利になるどころか、より競争性を求められ、それが日本国内のみならず世界にも戦場が向けられ、もはやキリがない。
更に60歳まで働けば良かった時代から今ではもしか70歳までと+10年追加されるという謎の事態(まぁ、背景は理解できるが)。そうなってくると正直なによりも前提となる「健康」が大事になってくることは言うまでもない。
その健康の大敵である「ストレス」。これは極力少ない方が良い。そして転職と言うのはそのストレスを生む最たるものの一つと言っていい。
私自身、転職をし過ぎていてどこか新しく出会う人、新しい仕事(そこまで新しくは無いが)、新しい勤務地など、「転職も転勤もそんなに変わらんし、もはや慣れた」と自分で思い込もうとしていた気がする。それこそ、転職の正の側面ばかり見て目を瞑っていたか。
しかし、やはり転職によるストレスというのはかなり体を蝕んでいくものであり、長く勤務をするのであれば(これは長くサラリーマン人生を続けるのであれば、という意味)転職回数は恐らく多くて2回ぐらいに留めた方が良い気がする。
「それでも一度転職をしてみないと。」とどうしても思うのであれば、一度他社に行って、学んで、会社が許してくれるのであれば出戻りをする、というのも比較的ストレスが無く、且つ自分の人生に確信が持てる一つの方策ではないか、と思ったりもする。
長生きや健康がが取り沙汰されているが、この激動の時代。健康で働き続けられるというのも一つの才能と努力で、それが尊ばれる日が必ず来ると思っている。転職するとかしないとか、それよりも、そもそも「働くことができる」ということが当たり前だが大事であるということ。
今のうちから無理なく、継続できる仕事人生を。
そして良い、健康状態を。