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過去の自分からのメッセージ

インスタグラムで私の絵を見てくれて、メッセージをやり取りするようになった人がいる。
突然恋人に去られたばかりだというその人は、「絵も消して自分も消えてしまいたい」と辛そうだった。
その人も絵を投稿していて、それはかつての恋人にもう一度振り向いてもらうためだったのだけれど、全くリアクションがないと落ち込んでいた。
私の絵から伝わるものがその人の気持ちに「刺さる」と言ってくれて、私もなんとか元気になってもらいたいという思いでやりとりを続けていた。
けれど、ある日突然その人のアカウントは消えてしまった。
お互い絵の感想を言い合ったりもしていたのに見られなくなり、メッセージも全部消えてしまった。
その人自身まで消えてしまってやしないかとなんか胸騒ぎがしてオロオロして、他のSNSを探ってみたりしたけど見当たらず、私の中ではその人は完全にいなくなってしまった。

それは2018年のこと。
なのに6年も経って、先日そのときのメッセージが突然復活した。
なぜ?
びっくり!
でも嬉しい。
もしやアカウントも復活しているのかと調べてみたけれど、残念ながらそれはなかった。

実は今、私自身もまともに絵を描けなくなっている。
その人と同じように、ある人への思いがままならないという理由で。
私の場合は、端っから思いを寄せたところで実るわけもない相手だから自業自得。
自分をコントロールできず勝手に拗らせて、心身ともに疲れてしまった。
さらにこれまでの過去の自分を全否定するというネガティブな感情のおまけつき。
全部吐き出して聞いてもらえるような相談相手もいなくて、ひたすら奥歯を噛み締めて毎日を送っている。
ただ上っ面で生活するだけで、絵をカタチにするエネルギーが湧かない。

そこへ来て、まさかのかつてのメッセージの復活だった。
改めて読み返すと、なんか自分がちょっと良いことを言っている。

「物との関わりと違って人とのことは自分ではどうにもできない。時が寄り添ってくれるというのは他人事かもしれないけど、いつかまたステキな色が戻ってきますように」
とか
「振り向いてもらえないのはつらいけど、描き続けてください、自分のために」
とか
「描くことは自分を救ってくれること。嫌な思い出でも、描くエネルギーになっているのかもしれない」
とか
「万全じゃないときでも、とりあえず表現する方法を持っている私たちは幸せかもしれない」
などなど…

なにこれ、ぜんぶ今の自分が言って欲しい言葉じゃん…

思い返せばその人に向けて書いていたとき、自分がその人の心情をきちんと理解して心から寄り添っていたのだろうかというと自信がない。
思いつく限りの、ポジティブで優しそうな言葉を必死に掻き集めて伝えていただけかもしれない。
でもそのメッセージが今の自分にはこんなに突き刺さって励ましてくれるなんて。
まるで過去の自分がタイムマシーンに乗ってやってきてくれたみたいだ。
あったかく背中をさすってくれてる気になる。

「情けは人の為ならず」って本当なんですよ!!
って声を大にして言いたい。
ありがとう、あのときの自分。
私もちょっとがんばって這い上がってみるよ。
そしてヒロスケさん、今は元気で過ごしているって、またあの面白くてステキな絵を描いているって、信じているよ。
またどこかで出会えたら良いなあ。
Good luck!

#今こんな気分

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