稀有
正直は馬鹿をみる。そんな世の中ッポイ
私という人間を知るのは難しい。 誰かとの比較で 生きているのも辛い。 だけど、 私は私だと生きるのもなかなか難しい。 なんせ1人で生きていく事なんて まぁできなくて、 学校も会社も、どこもかしこも 個人個人の集合でできているわけだから 人の評価なしには生きられない。 一番手っ取り早く 承認欲求を満たしてくれるもの それが 恋愛だ。 承認欲求から始まり、 承認欲求で終わる恋。 これ程苦しいものはない。 なぜか? 相手と結ばれなかった悲しみなんかより 自分を受け入れてもら
昨晩は、 結局全然眠る事ができなかった。 最近私を取り巻く憂鬱の雲は 夜だけでなく朝からやってくる。 2年半前、 就活真っ最中。 なにもかもが新鮮で、 働く大人は皆キラキラして見えた。 実現可能性よりも、 夢を持っている事が素敵だと言われ、 やる気とパワーがみなぎっていた。 しかし 最近はどうか。 顧客のクレーム対応、 社内から降りてくる厳しい売上目標。 成績=自分の価値。 「困ってる人を元気にしたい」 小さな頃に思った気持ちは、 いつしか消え、 余裕すらなくなっ
正論のアドバイスは時に大きな傷に 23:37 もうこんな時間か。 と、ふと時計の横にあるペンギンの フィギュアが目に入る。 懐かしい。 3年前、稀有と一緒に水族館で 買ったんだ。 稀有は今頃なにしているんだろうか。 部屋一面に広がる東京の夜景。 仙台はもうだいぶ寒いだろうか。 「久しぶり。元気。」 そんなテンションで連絡できるわけが なかった。 当時、仙台にきて3年、そうい28歳だった僕は 他の同期に比べ少し昇進が早く、 部下を2人持ち始めた時だった。 そんな
いい女ってなんだろうね
24歳。社会人2年目。仙台。私はなぜここにいるのだろうかという問いと何者かになりたいという気持ちに翻弄され今日も一日が過ぎる 「よお、元気」 懐かしさよりも先に、なーんだというがっかり感。 電話の向こうは淳だった。 淳とはインターンで知り合った。 ムードメーカーで、頭のきれる淳は 同年代からはもちろん、先輩からも人気だった。 人と群れる事が苦手な私は 大勢の飲み会もうまーくかわしていた。 ある同期飲みの日。 いつものように一次会を終え、二次会の波からそぉーっと帰ろうとした時
23:37 デジタル時計を見る 「ああ、またこんな時間か」 せっかくの休日なのに、また無駄に過ごしてしまった。 昨日食べかけてやめたサワークリームオニオン味のポテトチップスに手をのばし 「なんでここにいるんだろう」 ぼんやり考える。 稀有、24歳 よく芸名?って聞かれるけど、本名。 仙台。 縁もゆかりもないこの土地に、ちょうど1年前にやってきた。 なぜ横浜出身の自分が、誰もいないこの土地にいるのか、 何をしにやってきたのか、考えれば考える程わからない。