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策士なの?天然なの?ねえどっち?【日仏夫婦の馴れ初め②–🇦🇺オーストラリア編–】

〈前回のお話はこちら〉
1、最愛の夫の第一印象が最悪だった話

彼は人との距離の詰め方がバグっていた。
例えると、かたくなに心を開くまいと扉を閉めて小窓から外の様子を伺っていると、
勝手口から侵入し、後ろから「何みてるの〜?」とニコニコ顔で聞いてくるような。
まさにそういった感じであった。

あまりにもズカズカと遠慮もなしに土足で立ち入ってくるので、
「私、理由なく人と会ったりしないんで。無駄なことに使う時間はないです。」
という冷たい言葉を浴びせたほどだ。笑

それがどうだろう、ある日を境に急に一切のメールが途切れた。
初めはせいせいしたわくらいの気持ちだったのだが、時間が経つにつれ
さすがの私も心配になってきてしまった。
思えば1日100件以上も昼夜問わずLINEしてきていた人間から、パッタリと連絡が3日途絶えているのだ。

観念して、初めてこちらからLINEを送ってみることにした。

《写真》サウスポートのトラム駅

「ねぇ、今暇してる?キムチ欲しいってこの前言ってたじゃん?
サウスポートにアジアンスーパーあるって教えてもらったんだよね。
後で行くから来たかったら来てもいいよー。」

返事はすぐに帰ってくることはなかった。
しょうがないので1人でアジアンスーパーに行くことにし、その道中もずっと物思いにふけっていた。

ーきっと失礼なこと言ったから怒ってるんだろうなぁ。
 さすがに悪いことしちゃったかなぁ。
 嫌いな人でも礼儀は必要だったよなぁ。

ーそれにしても、我ながらに可愛くない文面送っちゃったかもなぁ。
 素直にメールいきなり途絶えて心配になったって言えばよかったかな。
 そしたらすぐに返事くれたのかもなぁ。

返事が来たのはその日の夜遅くのことだった。
完全に怒っているとたかをくくっていた私は彼の返信に拍子抜けすることになった。

えーまさかキムチ買ってくれたの?やったー!ありがとう!
明日の夜休みだから取りに行くねー!どこに取りにいけばいい?

なんと彼はゴールドコーストに着いて1週間ほどしか立っていないのにも関わらず、既に仕事を見つけていた。LINEが急に途絶えた3日前からフルタイムで働いていたらしくLINEを送る暇がなかったというのだ。

ワーキングホリデーのビザは基本的には1年。長く務めてもらえないし、言語的にも現地の方を雇ったほうが楽という理由でなかなか仕事を見つけるのは簡単ではなかった。
また、その時ゴールドコーストは春に当たる季節で観光客があまりいないいわゆる閑散期だった。絶対にジャパニーズレストランではなくローカルで現地の人たちに混じって働きたいと頑なに考えていた私は例外になく2ヶ月経ってもまだ無職のままだった。

【私】いやごめんキムチは買ってないよ。怒ってると思ってたし。
ってか休みってどう言うこと!?待ってそもそもどうやって仕事見つけたの?
【彼】たまたまだよ、ってか怒ってると思ってたってどう言うこと?

お互いの話したいところと聞きたいところが違いすぎて話にならなかった。
とりあえず会って話をしようという彼の提案に、理由のない人とは合わないと言った手前渋っていると彼はこういった

「いや、キムチ買いに行くの着いてくる?って誘ったよね??
今日は会うつもりあったってことでしょ?なんで明日じゃダメなわけ?」

完全敗北である。笑
どう言い逃れしようか考えたがおっしゃる通りすぎて何も言い返せずまごまごしていたら、結局上手いこと丸め込まれてしまった。
そしてとうとう次の日夜、会う約束を取り付けてしまった。

心の底から思った。この男、本当に何から何まで気に入らない(むかつく)

つづく

ーーーーー今回のあとがきーーーーー
オーストラリアを5555km縦断した時の話を書こう。
その流れで夫との馴れ初めから描いた方が自然かなと描き始めたら
なぜかノベル調になってしまいました。笑

全て実際にあった話で誇張も何もしてないのですが、
こう描いてみるとなかなかドラマチック(うける)

でも、本当の話なのでキムチ買いに行こうと誘ったとか
リアルすぎてダサすぎてなんなの?って感じです、はい。笑
(嘘でもチョコレートって書こかなってちょっと迷いました。は。)

それにしても私は本当に可愛くない女だなと自分自身書いてて笑いました。

〈トップ画について〉
どのアプリを使って加工しているかという質問をいただきました。
白いイラスト部分は全てipadで手書きで描いております。
ipad air買ったばかりで描きたいだけってゆう(笑)
8年間ずっと同じiPad miniを頑なに使っていたのですが、
進化しすぎてもう別物ですね。
買い替えてよかった。感動したので宣伝↓(笑)

今日も最後まで読んできださり誠にありがとうございました。
また次回もよろしくお願いいたします。

▼次回、第3話こちら。

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