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「裏を取材」第2弾 <第4章>



| 「とある家族」で見せた編集の技と次のステップへの進化

向:そういう意味では「とある家族」で次のステップに進めたのは、本当に良かったですよね。

赤:そうですね。1弾目、2弾目があったからこそ、こちら側も力をつけて、パワーアップしていた感じはありました。

向:実際に、この「とある家族」の本の中身について言うと、「あの内容」を作品として完成形に落とし込むというのは、まさにプロの技が求められる作業でしたよね。

赤:本当にまっさらの状態でしたからね。

向:うん。正直、できない人の方が多い、むしろできる人なんて少数派じゃないかと思います。

赤:そうですね・・・。

向:それくらい難しい作業だったと思いますよ。ただ、言葉をそのまままとめるだけの作業じゃなくて、しっかりと本として仕上げた。そこで赤嶺さんが「本物だな」と感じさせられる瞬間でしたね。

赤:ありがとうございます。

向:編集に必要な力というのは、例えば目の前にある原稿を記憶しながら、全体像をパズルのように組み立てていくような感覚なんじゃないかと思うんです。

赤:そうですね。

向:そして、その過程で、原稿の内容が薄まることなく、鮮明に理解し続けられる。そういった能力が本当に必要なんだなと改めて感じました。

赤:はい。

向:赤嶺さんが、その力を発揮してくれたのが、この「とある家族」の成功の一因だと思っています。

赤:ありがとうございます。確かに「とある家族」の編集作業はそういう部分が求められたと思います。最初に「こういうのを書きたいよ」ってリストを出していただいて、その中からパッケージするなら「これとこれとこれ」って、10作品くらいを選んで執筆してもらう形を取りました。

向:なるほど。最初から構想があったんですね。

赤:そうですね。最初の段階で大まかなパッケージの構想を立てて、それにどう落とし込んでいくかを考える感じです。

向:うんうん。

赤:あとは出来上がる本のイメージを想定しながら原稿を読んで、内容も頭の中でイメージ化していく。そして、それをさらに組み合わせて「じゃあ、こういう本になるんじゃないか」という形でパズルのように組み立てていく作業でしたね。

向:赤嶺さんの頭の中には、まるで本を作る工場があって、小さな赤嶺さんが走り回っているようなイメージがありますね(笑)。

赤:そうですね(笑)。一見すると、ただ考えているだけに見えるかもしれませんが、実際にはもっと立体的に物事を捉えているつもりです。

「とある家族の生きるサマ」

| 物語の力と「生き方」に寄り添うkaponoの理念

向:やっぱり「とある家族」は赤嶺さんの真骨頂だったなと思います。あの本って、正直、第1弾、第2弾と比較すると「答えはない」という内容じゃないですか。

赤:そうですね。たとえば、どこをトップに持ってきても良い構成でしたから。

向:だからこそ、順番や雰囲気をどう構成するかが難しいですよね。でも読んでみると、自然と次に進める流れができている。

赤:そうなんです。チエさんっぽさとヨウヘイさんの話を最初と最後に配置したのは、家族の雰囲気や文章の流れを意識してのことでした。それによって全体がまとまったかなと思います。

向:それでいて、自分らしさというkaponoの理念がぶれていないのもすごいですよね。そこは本当に特殊能力だと思います。でも、最初の段階では家族の物語をどうパッケージ化するか悩みましたよね。

赤:そうですね。家族の物語をどうすれば一番伝わるか、最終的には物語の力を活かすことにしました。

向:そうでしたね。

赤:はい、例えるならサザエさんやちびまる子ちゃんのように、キャラクター性や家族感を大切にしながら、小説という形に落とし込んだのが良かったんだと思います。

向:それ、本当に良かったと思いますね。完成した本を読んだとき、「これ以外にはない」と思えるほどの完成度でしたから!

赤:ありがとうございます。それを聞くと、試行錯誤した甲斐があります。

向:今回の本は、ノンフィクションをベースにしながら、フィクションの要素を加えたことで、さらに面白く仕上がっていると思います。それは、もともと事実自体が面白かったからもあるんですけどね。

赤:そうですね。だからこそ、その面白さをどう伝えるかを考えるのが編集の仕事だと思って尽力しました。

向:ゼロの状態からエンタメにまで昇華させるなんて、まさに赤嶺さんの特殊能力だと思いますよ。

赤:ありがとうございます(笑)。でもそれは、作家さんの力もあってこその結果だと思います。そこに良い形で関われているのならば、編集者としてはとても嬉しいことですね。

向:良い関係が築けているんですね。ちなみに、現在も第4弾もすでに動き出していると思うのですが、赤嶺さんはこれからkaponoをどんな人たちのもとへ届けていきたいと考えてるんですか?

赤:はい、そうですね。たとえば「自分ってなんなんだろう」とか「世の中生きにくいな」とか、そんな事を感じている人に読んでいただきたいですね。

向:うんうん。いいですね。

赤:今って、SNSが普及している分本当に比較対象が多いですよね。知りたい情報も得られる反面、知らなくて良いことも出てきたり。

向:確かにね、情報過多の世の中だからね。

赤:はい。だからこそ、そんな世の中にkaponoの本は必要だと思っています。

向:なるほどね。「生き方」がテーマですからね。

赤:はい、「少しでも生き易く、それも自分軸で」そんなことを望んでいる人の手元に届いたら何かお手伝いできることがある、そんな本ばかりです。

向:うん、確かに!

赤:生きづらい世の中でどう生きていくかというテーマを元に、「助けたいと思う人」と「自分なりに生きやすい道を見つけた人」たちが描く世界で、今一度「ありのままの自分」を見つけていただけたら嬉しいですね。

向:そうですね。「kapono」って言ってみれば「理念事業」とも言えるプロジェクトなんです。

赤:はい。

向:22世紀アートらしさが色濃く出ている企画です。22世紀アートだからこそお届けできる世界が「kapono」にはあります。ぜひ読んでいただきたい本ばかりですね!

赤:はい、そうですね!1人でも多くの方の「生き方」に寄り添えることを私も願っています。

株式会社22世紀アート 編集企画部 部長
赤嶺 絵理(あかみね えり)

2020年 22世紀アート入社
2024年 編集企画部 部長就任

株式会社22世紀アート 代表取締役社長
向田 翔一(むかいだ しょういち)

1982年生まれ。埼玉県出身。
2014年に22世紀アート株式会社を設立し、電子書籍や自費出版サービスを通じて、作家支援やブランディング事業を展開。
「一人の想いを人々の感動に変える」という理念のもと、これまでに6,000冊以上の書籍を出版し、特に自費出版分野で活躍。社会の中で挑戦を続ける企業や個人に焦点を当てた書籍シリーズ「百折不撓」プロジェクトを立ち上げる。

「ダイジェスト」に続く

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