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Kemioの魅力は底無し。啓発されるなら大好きな人から。

自己啓発本は苦手だ。嫌いなわけではないが、読んでもいつもピンと来ない。そもそも私はネガティブではないし、あまり読む必要の無い人間だろう。

人付き合いの悩みも無いし、ものすごく自分に自信が無いなんてこともあまりない。自分の自信について考えたことがあまり無い。寝たら大抵の悩みはどこかに行くし、ものすごく挑戦したい気持ちがあっても、行動に移すかしないかは2.3日で判断してしまう。後悔したらその時やればいいし、何日も悩むようなことはしない。自己啓発なんて、私にはいらないんだ。

それでも何かに啓発されたい気分の時がある。いらないとか言っておきながら、何か読みたい。新しい考え方を知ったり、今までの自分が正しかったとか、間違ってたとか思いたい。
でも自己啓発本と言われるものは不向きなのだ。難しい言葉にされると髪の毛をぐしゃぐしゃにしたくなるし、「そんなの毎日やってるよ、知ってるよ、わかってるよ」ってなることもしばしば。なんてワガママな女なんだ。

そんな時に私が手を出すものは、大好きな人のエッセイ本だ。
大好きな人の言葉は、自己啓発に繋がるのだ。今までもいくつかのエッセイ本を読んだが、先日読んだkemio 著の「ウチら棺桶まで永遠のランウェイ」は最高だった。


「高校行かなきゃケータイが買えない!
ヤバーい!」って思い込んでたの。
思考回路が永遠に野原。


ウチらみーんな
ソーシャルメディアの奴隷。


タイムマシンなんて永遠にないから、
今やることのジャッジとか、
何をやるかとか賭けでしかなくて
ウチら一生ベガスなう。


「いい歳なんだから」とか
「高校生じゃないんだから」とかいう
意味不明な意見には全然中指だよね。


「あげみざわ」など中高生の流行語になった言葉を生み出すkemioの日本語は本当に狂ってる。それがとにかくクセになるのだが、この本でもしっかり発揮されている。kemioの声が聞こえてくるようで心地いい。すんなり内容が入ってきて、スルスルと読み進められる。

Kemioは私と同い年だ。同世代として誇りでしかない。高校生の頃からkemioの存在は知っていたし、私達にとってはカリスマなのだ。

SNS上ではとにかくポップなキャラクターの彼だが、幼い頃に両親を亡くし、祖父母に育てられた。ハーフなことは高校生くらいで知ったらしい。同性愛者。高卒で自分の意思でアメリカに拠点を移して今4年目くらい。本人がどう思っているかは別として、とても平凡な人生ではないと思う。

彼の主な活動のひとつのYouTubeでは、ダルゴナコーヒーを作ったり、タピオカ作ったり、最新美容マスクを試したり、その全てに失敗するkemioがとにかく笑える。

ギャルに憧れてバカ長い爪を付けたり、意地でもリラックマを英語で言いたかったり、愛おしいほどくだらない。効果音や編集の仕方もちょっと独特だし、kemioの世界観が爆発している。

そんな動画をあげつつも、たまに話す英語は私みたいな素人からみればネイティブさながらだし、アメリカでの生活だって、本当は影で努力しているんだろうと思うととても尊敬する。

恋愛についてとか、同居人と上手くいかないとか、全てさらけ出して話す。私達世代に突き刺さる話題をまるで教室で友達に話すかのようなテンションで喋り倒すkemioは、たまに「あれ?本当に友達だったっけ?」みたいな気持ちにさせてくる。

特にプリキュアについて語る動画は、彼のジェンダーについての考えを深く感じる。プリキュアというのは私達世代にとってはすごくキャッチーなトピックだけど、こんな風に話されたら何も考えずにはいられない。  


私はkemioと友達なわけじゃないし、動画や本を見てまるで素のような彼を知った気になっているだけで、本当はこんなもんじゃないと思う。だけどそれでも、私は私の知っているkemioが大好きだ。
そんな彼の本に啓発されずにはいられなかった。

自分が啓発されればそれは私にとっての自己啓発本だ。どんなにポップな書き方であろうと、内容がどんなものであろうと。

大好きな人の本や言葉は自分に何かしらの影響を及ぼす。直接的に人生が変わったりする事は無くても、こんな考え方があるんだとか、こんな風に生きてみようとか、少しでも変化をもたらしてれる。

ずっと同じ毎日じゃつまらないから、大好きな人や大好きな人の言葉や作品はたまには必要。
それが今回kemioだった。YouTubeも見て、本を読んで、ポップに自分を貫くカリスマの一部をもらった気分。

どうせ啓発されるなら、自分の大好きな人の作品にされるべき。私はkemioが大好きだから、たくさんの人に勧めたい。  




#kemio  #ウチら棺桶まで永遠のランウェイ
#本  #YouTube #日記 #エッセイ #コラム

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