コロナを生き延びる飲食店の新業態
イタリアのミネラルウォーターや果物が店外にカラフルに積まれたお店の前を通りがかり、お洒落なスーパーと思って中に入ると、ワインにチーズ、珍しいパスタソースやパスタなどの輸入食材が。そして奥にはなんと野菜。キノコやトマトなどの野菜は不揃いだが普通のスーパーより安い。
レジに並んで気づいたのが、スーパーの3分の1がカウンターと厨房で占められていること。厨房ではシェフやスタッフが調理していて、できたてのサラダや料理がお惣菜としてカウンターに並べられていく。そうか。テーブルや椅子はなくなっているけれど、ここはもともとはイタリアンレストランだったんだ。
どう見ても小さなスーパーにしか見えない店内で販売されている食材はよく見るとイタリアンレストランの食材ばかり。野菜が安いのも珍しい輸入食材があるのも独自の仕入れルートがあるからか…
近所の住民だと思われる客が店の前に積まれた食材にひかれてどんどん店内に入ってくる。野菜を大量に買う客もいれば、ワインとチーズ、お惣菜だけが目当ての客も。
この時期飲食とテイクアウトだけだったらここまでたくさんの客は店内に入ってこないだろう。ステイホームでワインや珍しいチーズを楽しみたい。遠いスーパーよりも近くで野菜を買いたい。食材の買い物でレジに並びながら美味しそうに料理が作られているのを見てついお惣菜にも手を伸ばす。そうやって近所のファンが増えれば、いつかコロナが落ち着いて、テーブルと椅子を入れてレストランを再開したときに彼らはここに食事に訪れるだろう。
飲食店が苦境に陥る中で飲食店に卸す業者も苦戦していると聞く。仕入業者に商品の販売ルートを提供しつつ、レストランの料理のファンも増やす。winwinの飲食店の生き残り戦略をここに見た気がした。