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地下鉄(メトロ)に乗って:浅田次郎

・父親と自分自身の生き方
・地下鉄   
・タイムスリップ
  がキーワードとなります。

「地下鉄(メトロ)に乗って」浅田次郎さんが吉川英治文学新人賞を受賞した作品で後の2006年に堤真一さん主演で映画化され人気を博した作品です。

長谷部真次は、大きな会社の社長:佐吉の息子として恵まれた立場で生を受けたのだが、父親とはお互いに分かり合えずに仲たがいしてしてしまい家を飛び出してしまった。

いまは妻と子供、そして妻の母親と一緒の家でそれなりに幸せに暮らしていた。

そんな真次に父親佐吉の危篤の知らせが届きますが、真次は頑なに父親のもとを訪ねることを拒み会いにいきませんでした。

そんな状況のなかで地下鉄に乗っていた真次は、不思議な体験をすることになりました。

なんと、いつの間にか時空がタイムスリップして昭和39年まで遡ってしまっていたのです。

そこでは、父親の佐吉が太平洋戦争の戦地からなんとかもどり、戦後の世の中のドタバタのなかで、世渡り上手が幸いして小さいながらも酒場を経営するなどして儲け始めていました。

そのころの父親佐吉は、真次自身の記憶に残っている佐吉とは違って仲間を非常に大事に思う人情味のある人間でした。

父親の人情深い性格を垣間見た真次は、いままで父親の一面しか知らなかったことに気づきます。

そうして地下鉄を通じて何度か現在と昭和を行き来した真次は、父佐吉と息子真次の関係のなかに衝撃的な事実を発見してしまいます。

その衝撃的な事実とは何なのか、そして父親と息子真次はお互いに分かり合えるのか、真次は父親の最後を看取ることができるのか。

昔気質のおやじと息子のものがたりです。

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