「大いなる、小さなものについて」
わたしの仕事の中には、ワークショップやイベントの内容を企画する、というものもあって。
いいなと思う欠片をかき集めて、
編集して、つくり出すのだけど。
そんなことをしている間に、
とても素晴らしい詩に出会ってしまった。
長田弘さんの、
「大いなる、小さなものについて」
という詩。
人の感受性にとっての、
大いなるものは、
すぐ目の前にある小さなもの、
小さな存在だと思う。
幸福は、窓の外にもある。
樹の下にもある。
小さな庭にもある。
ゼラニウム。
ペンタス。
ユーリオプシス・デージー。
インパチェンス。
フロックス・ドラモンディ。
目の前に咲きこぼれる、
あざやかな花々の名を、
どれだけ知っているだろう?
何を知っているだろう?
何のたくらむところなく、
日々をうつくしくしているものらについて。
詩がこんなにも心に響いたのは、
生まれて初めてで、
読みながら泣いた。
コロナウイルスが蔓延している今だからこそかもしれない。
ここ数日で、また状況が変わった。
首都圏に外出自粛要請が出て、
並大抵のことでは休まない大きなショッピングモールも休館。
映画館も図書館もジムも。
自宅勤務を推奨していた会社も
厳戒態勢となり、
公共交通機関の一切の使用が禁止。
おそらくわたしは、
これから最低でも2週間は自宅勤務になる。
2週間で終われば良いけれど。
この1ヶ月足らずで
いろいろなことが、少しずつ、
でもとても大きく変わっている。
世界の危機はこんなふうにじわじわと訪れるものなのだな、と
いまだに少し実感がない。
歴史的な変化が、
今まさに起こっている。
けれどわたしたちの感受性を動かす、
"大いなる、小さなもの"は、
目の前にある。
この記事が参加している募集
良かったらサポートお願いします。 とても嬉しいので。 いただいたサポートで、また日々を楽しくつくります。