アニメ「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない」感想
ジョジョはファンが多く、セリフがあちこちで引用されているようだし、読んでみたいな~ と前々から思っていた。
しかし大長編漫画を全巻制覇するのは大変。
荒木飛呂彦さんが描くカラーイラストの美しさに憧れつつ、手を出せずにいた。
Dちゃんに相談してみたところ、
「『ダイヤモンドは砕けない』を見てみたら? 独立した話になっていて、前のシリーズを知らなくても楽しめるし、荒木飛呂彦独得の色使いも再現されているよ」
それでは、と見始めたら、ハマった! ハマった!!
杜王町という小さな町に特殊能力(スタンド)を持った殺人鬼がおり、主人公はその事件を追いつつ、様々な人々と出会っていく、というのが大まかなストーリー。
少年漫画的なバトルを中心としながらも、サスペンスやギャグの要素も多く、ハラハラしたり声立てて笑ったり、面白かった!
ジョジョに「スタンド」というものが出てくるのは知っていたけれど、具体的にどんなものなのか、つかめていなかった。
見ればすぐ「こういうことかー!」と分かりますね。
説明するのは難しいな。守護神ともちょっと違うし……
よくもまあこんなに多種多様なスタンドと、それを使った攻撃を思いつくものだと感心した。
罪悪感で発動する錠前のスタンド(ザ・ロック)とか、相手の体を本にして人生を読み取るヘブンズ・ドアーとか。
主人公の仗助も、友人の康一や億泰もそれぞれ本当に良い子で、愛おしい。
康一の体力的な弱さや、億泰の考える力の無さが、物語の展開を作ってゆく(康一→しょっちゅうやられて監禁されたりする。億泰→選択を迫られるが、いつも兄の言いなりだったため自分で正解を導けず、間違ったり適当に選んだりしてしまう)
その人の長所だけでなく短所も、物語を回す大事な要素なのだな、と。
康一のスタンドがパワーアップした時に、康一が自分で髪を切って髪型を変えたのが可笑しかった。
ジャンプ的な、力がインフレしていく漫画は、確かに強くなると髪型や髪の色が変わったりする。
そのパロディだったのだろう。
背の小さな康一と間田が並んでしゃべっている様子が、強くなる前の悟空とクリリンみたいで、泣きそうになった。
タイトルの通り「奇妙な」話ではあるけれど、王道少年漫画の伝統をふまえた作品だと強く感じた。
ジョジョの向こう側に、数多の「かつての少年漫画」が透けて見える。
私が一番好きなキャラは、漫画家の岸辺露伴。
漫画家が漫画家を描くと鬼気迫るものがある。
目の前のことに夢中になり過ぎて、常識では考えられないことを仕出かしたり、物語を盛り上げていた。
ネットでよく見る、
「だが断る」
というのは彼のセリフだったのね(元ネタを知らなかった)
登場人物の服装やポーズ(ジョジョ立ち)がどれも洒落てる。
国立新美術館でジョジョ展が開催された時、日時指定の予約制だったこともあり、
「ジョジョを読んでいない私が行ったら、古くからのファンに申し訳ないかな……」
と遠慮してしまった。今から思えばやっぱり行っておけば良かった。
家でジョジョ立ちをまねしてみたら、
「ハニワみたい」
とDちゃんに言われた……
ずっと興味のあったジョジョの世界に触れられて、幸せでした♪