映画「シン・ゴジラ」感想
シン・ゴジラ、特技監督(特撮部分担当)の樋口真嗣は大好きなのですが、総監督の庵野秀明に対する思いが複雑過ぎて、見る前は、
「どーしよっかなー」
という感じでした。エヴァの破とQが全然好みじゃなかったんだよね。
今回の映画もエヴァそのまんまのところが沢山あって、
「この人、本当にもうエヴァから逃れられないんだな」
と苦笑した。本人だけの責任ではなく、周囲からの期待も含めて。
でもちゃんと新しい試みや切実な問いかけもあったのでホッとした。好きなクリエイターが立ち止まったり後退しているのを見るのは辛いんだ。
さて、私は特撮、特に街が破壊される映像が病的に好きです。電線切られて街が真っ暗になったり、ビーム照射でビルが爆発して崩壊したりするの、快感ですよね…… ゴジラが暴れまわっている場面を見ている間、ほとんど「性的」と言っても良いくらい興奮していました。
まだ東京残ってる! 神奈川も千葉もあるし、何なら埼玉まで来ても良い! もっともっと壊せゴジラ!!
不謹慎と思われるかもしれないけど、日常とは価値観が反転して、ふだんやっちゃいけないことをガンガンやれるのが物語の世界じゃないか。都市が壊されるのがこんなに気持ち良いということは、文明嫌いなのかな、私。
人間たちのドラマの方では、市川実日子が演じた環境省自然環境局野生生物課長補佐(Wikipediaの情報コピーなので間違っていたらごめんなさい)の尾頭ヒロミがすっごい可愛くて、
「死ぬなよ! 最後まで残れよ!!」
って応援しながら見た。いかにも理系女子らしいクールさと熱さが素敵でしたね。
Dちゃんは最初の方に出てきたゴジラ(途中で形態が変わる)が可愛くて、
「これなら最後まで見られる!」
と思ったらしい。
私は、
「何これ、ゴジラじゃないじゃん! これとゴジラが戦うの……?」
と首をひねっていましたが。
最終的にはちゃんとゴジラらしいゴジラになってくれたので一安心。
キャストの最後に「野村萬斎」とあって、
「え? どこに出てた?」
と思ったら、何と! ゴジラの動きを野村萬斎から取っていたらしい(モーションキャプチャー)
あのどっしりした動きは狂言のものだったのか~ 変にプカプカしたところが無くて説得力がありましたよね。
エンディングで有名なゴジラのテーマ曲をたっぷり聴けたのも幸せでした。メインのストーリーも実際の事件(福島原発事故とその後の混乱)を省みる内容になっているし、第一作目のゴジラが成し遂げたことを非常に大事にして作られている気がしました。
メイキング映像も見たいな~
「嬉々としてミニチュアのビルを並べる樋口真嗣」
とか。特技監督自ら並べたりしないか。