2000年~2002年に読んだ本【ま行】(自分用メモ)

2000年4月25日,三田誠広・笹倉明・岳真也,大鼎談,朝日ソノラマ,1600円
貧乏な作家にはなりたくないと思った。考え方まで貧乏臭くなる。

2000年8月20日,村上春樹,スプートニクの恋人,講談社,1600円
初めての村上春樹作品!! うわー良かった~ 吉本ばななのNPを読んだ時と同じような感動。やっぱり人気あるだけあるのね。ついでにヒロインの「すみれ」がNPの「翠」(字、合ってるかなあ?)に似ていた。エキセントリックってやつですね。主人公とすみれの関係が面白かった。色んな意味で他人事とは思えない物語だった。そういう風に沢山の人に思われるからこそ、人気があるのだろうけど。「血を流す」あの感覚もよく分かる。
そうよね?
そのとおり
また借りて来ちゃおーっと。

2000年8月20日,村上春樹=文・稲越功一=写真,使いみちのない風景,朝日出版社,1300円
「使いみちのない風景」が間接的に小説の風景を連れて来る、という話が面白かった。そういう風景が必要だから人は旅に出るのだ、と。

2000年9月17日,村上春樹,神の子どもたちはみな踊る,新潮社,1300円 
かえるくんが良かったなあ~。山手線の車両くらいの大きさのみみずくんと戦うのだ! 最後の蜂蜜パイも良い話だった。そう、「新しい結末」を書かなければ。

2000年12月9日,松浦理英子,裏ヴァージョン,筑摩書房,1300円
「私は世界を両手で粉々にすり潰し、それを見て微笑むあなたが見たい、ベイビー、ベイビー、ベイビー」
小説はこんな事も出来るのか、と感動。小説という形式に惚れ直してしまった。

2000年12月16日,松浦理英子×笙野頼子,おカルトお毒味定食,河出書房新社,1300円

2000年12月24日,松浦理英子,優しい去勢のために,筑摩書房,1700円
普通のエッセイの中では「犬よ! 犬よ!」が一番好き。文章としては「優しい去勢のために」の章が魅力的だったな。
気に入った文章をいくつか。
「残酷な光景を写した写真が<残酷>な写真となるのは、<残酷な光景>ではなく<光景の残酷さ>が写し出されている場合」
「わたしの秘孔にべったりと口を押しつけくすんだ赤色の滴りを受けてくれたことに報いるため、今度はわたしが繰り返された自慰のせいで血の気を含んだあなたの精液を呑みましょう」
「生まれていちばん初めに何をした?
 泣いた。」

2000年12月27日,松浦理英子,ポケット・フェティッシュ,白水社,1200円
さあ、このまま松浦理英子の全作品を読んじゃうぞ!

2001年1月18日,町田康,へらへらぼっちゃん,講談社,1600円
この人のリズムを感じたくて、まずはエッセイから。

2001年2月27日,松浦理英子,ナチュラル・ウーマン,河出書房新社,1500円
「まるで乞食であった。花世のくれるものなら痛みであろうが快楽であろうが何でもほしかった」
主人公はもっと優しい人を好きになるべきなのに。強さなんて求めずに。切なかった。

2001年6月10日,映画「メトロポリス」パンフレット,600円

2001年6月12日,文藝別冊まど・みちお,河出書房新社,1143円
まどさんの住所が書いてあってびっくりした。

2001年8月31日,水木しげる,あの世の事典,ちくま文庫,490円
世界中の民族の考え出す「あの世」(特に地獄)みんな、もうちょっと素敵な天国を考えようよ・・・

2001年8月31日,水木しげる,のんのんばあとオレ,ちくま文庫,450円
この人は「妖怪的世界観」(妖怪で世界の全ての現象を説明する)というものをのんのんばあから教わって育ったんだなあ、と実感する。

2001年9月30日,宮崎駿,出発点,徳間書店,2700円
盛りだくさん。

2001年10月8日,宮沢章夫,わからなくなってきました,新潮社,1300円
「牛への道」というエッセイ集も面白そうだ。

2001年10月26日,宮沢章夫,牛への道,新潮社,1250円
この人の読書傾向が好きだ。

2001年12月27日,宮沢章夫,青空の方法,朝日新聞社,1300円
梨の話が忘れられなくてね・・・・・・ 

2001年12月30日,村上春樹,ねじまき鳥クロニクル第1部~第3部,新潮文庫,705円くらい
微妙な物語だなあ。「笠原メイに似てる」と言われたけど、確かに一番共感した登場人物は彼女だ。

2002年2月19日,村上春樹,世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)(下),新潮文庫,520円くらい
またもや微妙。「世界の終り」の一角獣の住む街の描写はうっとりするくらい良かった。

2002年3月27日,森村泰昌,NHK人間講座 超・美術鑑賞術,日本放送出版協会,560円
森村さんの本を全部読みたい。この人の考えを全部知りたい。

2002年5月9日,森村泰昌,踏みはずす美術史,講談社現代新書,680円
芸術に対して自由である事。森村さん大好き。

2002年6月23日,森村泰昌,空想主義的芸術家宣言,岩波書店,1800円
無性に森村さんの文章が読みたくなり、図書館に行ったらすぐこの本を借りられたので、とても幸せな気持ちになった。読み終えてさらに幸せ。

2002年6月27日,森村泰昌,「まあ、ええがな」のこころ,淡交社,1600円
泥棒に入られても「まあ、ええがな」の森村父。私も「まあ、ええがな」を使ってみよう。

2002年6月30日,森村泰昌,美術の解剖学講義,平凡社,2000円
コンセプチュアルアートの事等、とてもためになった。そしてこの森村週間でずいぶん元気になった。大感謝。

2002年7月17日,森しゅう子,先物取引・だましの正体,東京経済,1000円
だます側の人が書いた本も読みたい。 

2002年7月31日,宮沢章夫,茫然とする技術,筑摩書房,1400円
コンピュータの話が面白かった。秋葉原でばったり会ったりして。

2002年8月8日,宮部みゆき,火車(かしゃ),新潮文庫,857円
カードって怖いなあ。普通の人ばっかり出て来た。庶民的な庶民、にはどうしても感情移入出来ないのだ。

2002年8月14日,満留賀鴨南・仲屋宇奈幾,古典狂養文庫第八輯「江戸之出版事情」,満留賀,200円
同人のような江戸出版、について。こういう同人誌もあるんだ~! と感動。

2002年8月14日,満留賀鴨南・仲屋宇奈幾,古典狂養文庫第二輯「元禄・化政文芸早見草」,満留賀,300円
北斎の娘についての漫画が面白かった。杉浦日向子の「百日紅」も読んでみようかな。

2002年8月21日,三浦綾子,旧約聖書入門,光文社,1300円
キリスト教信者にとっての旧約聖書。キリストが大好きなのね。

2002年8月29日,森村泰昌,女優家M演技の花道,晶文社,1800円
蜷川幸雄&野田秀樹&辻仁成の事も分かってお得。相変わらずぼんやりしながらとんでもない事をしている。

2002年8月29日,毎日新聞社会部・編,倒産・突然会社が消えた時、山一社員はどうしたか,エール出版社,1400円
「将来に向かってではなく、過去を清算するためだけの残務処理業務には、限りない空しさがつきまとった」
「会社に代わって一人で在庫をさばき、新たに商品を仕入れて販売を続けた。回収した売掛金の大半は会社が滞納していた税金の支払いに消えたが、あと半年もすれば債権債務処理が、やっと終わる見通しだ」
「その会社が倒産したとき、総務課の社員(43)は同僚数十人の「離職票」を作る仕事に追われた。雇用保険を受け取るのに必要な書類で、一人ひとりについて最近6カ月の平均給与額などを算出しなければならなかった」
残務処理について知りたかったのだ。

2002年9月13日,増田正造(監修),能・狂言(学校百科・はじめてみる伝統芸能2),クロスロード,2000円
子供向けの本は写真が多くて分かりやすい。

2002年9月23日,トオマス・マン,トニオ・クレエゲル,岩波文庫,150円
苦悩する文学青年。もう苦悩は良いから、と言いたくなった。