村上春樹「騎士団長殺し」感想
何より言わなければいけないのは!
騎士団長が可愛い!!
鈴が鳴り始めるあたりは怪談のようで怖かった。何が起こるのよ~ と思っていたら。可愛い奴出てきた~♪
Dちゃんの前で騎士団長のものまね(免色さんの家で「返答を先延ばしにしろ」とジェスチャーで伝える場面)をしたら、
「まるで見てきたみたいだね」
と言われた。うん。見てきたよ!
一番笑ったのは、主人公が「顔なが」に「即興で暗喩を言ってみろ」と迫る場面。
村上春樹の比喩表現の総括のようだった。
最も心躍らせたのは、主人公が絵を描く場面。プロの絵描きで、それ以外特にやれることはない、という設定なので、長い物語の最初から最後までひたすら絵を描いている(多少は他のこともする。料理とか冒険とか)
私は絵を見るのが大好きなので、画材の描写を読むだけでも幸せな気持ちになる。
どうやって描き始めるか、描いたものをどのように最善のものに近付けていくか。
それはきっと村上春樹が小説を書く時に感じていること、これまでに学んできたこと、なのだと思う。
自分の小説書きに生かせると良いなぁと思いながら、じっくり読んだ。