映画「横道世之介」感想
長崎出身の大学一年生「横道世之介」の一年間のお話。お嬢様とのふわふわした恋愛に、サンバのリズムに乗った愉快な友情。
青春時代の甘酸っぱい部分だけをきっちり切り取ったような映画。笑えて、切なく、のんびり。「怒り」と同じく吉田修一の小説が原作なのに、驚くほど雰囲気が違う。でも共通点が二つありました。
1、ハッテン場が出てくる。
「怒り」の原作を読んでいて、
「昔、ハッテン場って屋根なかったよね?『星が綺麗に見えるスポット』的なものだったよね?」
と思っていたのですが、吉田修一、ちゃんとそっちのハッテン場も書いてました。ぬかりないな。
さて、そこに行くのは誰でしょう。
2、綾野剛がゲイの役をやっている。
はい。綾野剛は「怒り」だけでなく「横道世之介」でもハッテン場に行きます…… ゲイじゃない横道世之介がくっついて来ちゃって、結局遊べずに二人でスイカを食べて終わるのだけど。この場面がまた、二人とも可愛いんだ!!
綾野剛が演じる加藤は、人と接するのがあんまり好きじゃなさそうな人間に描かれている。けれども大人になって横道世之介の思い出を語る時にはすごく明るくなっていて、
「横道世之介ののんきな優しさによって、開放的になれたのかな?」
と感じられたのが良かった。
全体的に楽しい話で、楽しさが悲しみを、悲しみが楽しさを際立たせる。思い出すとじーんとする。
多少画面から目を離してもストーリーを追えなくなるような話じゃないので、作業用に流すのに合っていると思う。私はワイシャツにアイロンがけしながら見ました。
クールな加藤が真面目に可笑しいこと言うから一人で大笑いしたよ。
同人活動をやっている人は、コピー本の製本をしたりしながら見ると良いと思うよ~