映画「のぼうの城」感想

 埼玉県行田市にかつてあった忍城おしじょうの物語。城の人たちと村人たちの距離が近くて、風の谷のよう。田植えを終え、村中が緑に輝き、城主のいとこである「のぼう様」も喜び踊っている。

 そんな田舎城に、豊臣秀吉の軍が攻めてくるという。どうしてここで戦わなきゃいけないのと切なくなった。

 この時代の戦い方ってえげつないんですね~ 鉄砲ガンガン使うし、油をまいて火を付けたりもする。
 挙句の水攻め。小さな城一つを落とすために、あたり一帯を水浸しにするなんて、石田三成、酷くないですか……

 のぼう様を演じたのは狂言師・野村萬斎。戦うのが当たり前の時代に「平和に楽しく暮らしたい」と願うのは、まさに狂気。
 まっとうで、だからこそ愛される狂いっぷりを、舞と歌で見事に見せてくれました。

 最後の方に現在の行田市の映像が流れたのも嬉しかったです。

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