こころに寄り添う心理カウンセラーとして…
受容と共感 1
カウンセラーとして一番大切にしていること。
それが受容と共感だと思っています。
受容とは、アメリカの心理学者カール・ロジャースが創始された、来談者中心療法の中の1つのスキルで、相手の存在そのものを受け止めることです。
受容は相手を否定したり、評価しない考え方なので、相手に話しやすさを感じてもらえます。
受容の姿勢で関わる時は、全てを受け止めます。相手が話したことについては
・自分の意見は伝えない
・良い悪い、評価はしない
・アドバイスはしない
受容的な態度で聴いてもらえると、人は安心して受け入れ、気持ちが楽になったり素の自分を出しやすくなる傾向があります。
例えば、友人から
『会社で上司からひどく怒られた。あんな風に言うことないのに、ひどすぎる。』
と言われたら、
A.『そんな言い方されたら、ほんと腹が立つね。』でしょうか?
B.『でも、それはあなたのやり方が良くなかったんじゃないの?』でしょうか?
Aは受容的な返しです。自分の気持ちを受け止めてくれた、分かってもらえた、と感じられます。また『腹が立つね』は相手の気持ちをくみ取った言葉で、共感の言葉になります。
一方のBは、正論かもしれませんが、自分の怒りを受け止めてもらえたとは実感できません。
受容的な態度とは、怒りであっても憎しみであっても、苦しみであっても、相手が感じているそのままを受け止めて関わります。
受容的な態度で話を聴いてもらえると、人は自分の中のプラスの面だけでなく、マイナスの面(怠けたい、休みたい・・・)の自分も受け止められるようになり、自分自身が感じている受け止め方「今のままの自分で良いんだ」と思うようになるでしょう。
受容的な態度は自己肯定感を高めることにつながります。