表現再考:夏至 旧暦五月十六日
今日は、夏至です。ついに陽の極に辿り着きました。気温が極に至るのは、もう少し後ですが、ここからは少しずつ陰の気配が近づいてきます。
本朝の七十二候は、乃東枯(なつかれくさかるる)、菖蒲華(あやめはなさく)半夏生(はんげしょうず)と、植物にまつわることが中心です。なつかれくさというのは、靫草のことで、冬至の頃芽吹き、この時期に枯れる、陰の気の強い時の草花です。
大陸の宣明暦では、鹿角解(しかがつのおとす)、蜩始鳴 (せみが鳴き始める)、半夏生
です。
半夏というのは、カラスビシャクのことで、咳止め、嘔気を抑えるのに使われます。大切な生薬ですから、ともに夏至の末候に挙げられているのでしょうか。
(写真は、「阿佐ヶ谷とらや椿山」の上生菓子 「花しょうぶ」です)