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画廊の楽しみ方ーーなんで画廊に足を運ぶのか(71)

 版画の話を続けてきましたが、絵画、ドローイングの話をしていきたいと思います。

 絵画というのも、油絵、水彩、ペン画などいろいろあります。また、それぞれの分野でも、ピグメント、色の粉末をどのよいなものに溶かして、いくかで、さまざまに展開していきますし、また、それらの手法が交錯するように使われてもいきます。

 絵画が論じられる際、その代表的なものは、西洋絵画における油絵でしょう。ルネサンスを通過して、大きく展開した西洋絵画ですが、基本は、何かを〈写しとる〉ということです。

 全ての存在は、イデア界にあるものが、物質に投影されてあらわれているという、形相と質量、イデアと素材をわける考え方がありますが、絵画の世界を考えるとき、わかりやすい構造にも思います。

 具材を組み合わせながら、自分の頭の中に浮かび上がった〈イメージ〉を、具現化する。〈イメージ〉は、形にあらわされる前から、現世でなくとも、天界やら象徴界やらに確かにあって、何らかの形で、作家の頭の中に投影されているそういう構図です。

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模写論としては、長谷川宏さんが訳されたジュリアン・ベル『絵とは何か』は参考になります。

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