癖になっちゃってる
お葬式の案内が玄関先に出ている場所を通るとき。
霊柩車とすれ違う、もしくは少し離れたところでも目にすると…
いつの間にか親指を内側に握り、隠すしぐさをしてしまいます。
つい先日もちょっとしたこと?で、連れ合いが夜間救急にお世話になりました。
その時、現世とたった今お別れなさった方がストレッチャーで運ばれていくところにあってしまいました。
連れ合いの乗る車椅子を押していた私は、通路傍らにより目礼をしながら首部をたれていたのです。
車椅子に添えている手はと云うと、しっかりと親指を中に折り込み隠していました。
連れ合いが処置をしてもらっている処置室前の廊下でボーってしながら、不意に思い出し笑いが込み上げてきて困りました。
なんで親指を隠した?隠して取られまいとする親はとっくにあちらの住人になっているのに、と。。。
どこで?誰から教わったのか、お葬式や霊柩車を見たら親指を隠す。親を取られてはならない!と云う強迫観念のようなものが植え付けられていたのでしょう。
隠す親も見送ったのに、とっさに親指を隠している自分がとても滑稽で笑いだしそうになってしまったのです。
こらえればこらえる程ツボにハマったように可笑しくなってきて。
シンドイ思いをしている連れ合いを思うと、まさか病院、しかも救急対応待合室で笑うとは不謹慎極まりなく、対応してくださっているドクターやナースの方々に申し訳なく、固く口を閉じうつむいて耐えていました。
まさか誰も笑いをこらえているとは気づく由もないと信じて。
しかし、長年染みついた癖は抜けないものですね。
自分の分の親指を隠してもらう側かも?と娘に話したら「なにそれ?」...
うわっ!これがジェネレーションギャップなのかも?と思い知らされました。
よくよく考えてみると、理にかなっていないですよね。
だって色々考えると指全部隠さなきゃならなくなりそうですもの。
お父さん、お母さん、お兄さん、お姉さん、子ども、とそれぞれ指に名前がありますものね~
いずれ皆が行く先と云えども少しでも先延ばしに……と考えての行動だとは思うのですが。
こんなことをするのも私の世代ぐらいで終わりでしょうね。
あっ!夜爪を切るときも唱える呪文?があるって知っていますか?
「夜切る爪は鷹の爪」と3回唱えてから切ります。
確かこれも「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」とか……。
これは、娘にも伝承されていたようです。
昨夜行っていましたもの。
昔の人はいろいろ考えたものですね。
ヤダ! 私も昔の人~~?
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