舞台『パラサイト』 観劇記録
舞台の良さって何なんだろう?
観劇記録を書き始めてから「ジェーン・エア」「ラ・マンチャの男」と原作があるものを履修せずに観劇に臨んだことで悔やむことが続いていたけれど、今回は原作を知ってるからこそ悩んでしまった。
結論として、舞台の良さはナマモノを享受出来る点が1番に挙げられると考えたけれど、今回はナマモノだからこそ起きてしまうミス(噛んで言い直す場面多数)を受け止め切れなかったから、悩んでしまったのだと思う。
あとはやっぱり原作の映画が良すぎた。
関西版にアレンジされたことで追加されたボケも面白かった部分もあって良かったけれど、うまく笑いきれなかったのもあったし、
映画から舞台に変換した時に割愛した詰められなかったものが、ストーリーを薄っぺらくしてしまったことで作品に没入しづらくなってしまい素直に楽しめなかったんだと思う。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
キャスト個人で見れば良かった人は沢山いた。
特にキムラ緑子さんは際立って良かった。
頭から血を流す場面で肩からの流血になってしまったのは残念だったけれど、緑子さんがメインを張るシーンではボケのシーンでも舞台に没入出来た気がする。
沙莉ちゃんも良かった。
キャラクターがバラエティーとかで見る印象に近しくて違和感がなかったのもあるだろうけれど、関西弁が本当に自然で演技も良くて、元々好きで今回1番会いたかった人だったから期待していた通りで本当に良かった。
古田さんや江口さんも同様。
期待してた通りで、まさにパラサイトのお父さんとお母さんになってた。この2人が現れるシーンが後にも述べるけど、私のハイライト。
それと逆なのが宮沢氷魚くん。
主人公+語り部で演じていたキャラクターのイメージが本人とかけ離れている印象を強く受けたから、本当に大変だったと思う。
予習時に見た何かのインタビューで
「頑張ってるように見えないのが1番」
みたいな発言を見た気がするけど、前4人と比べると頑張ってるのが伝わっちゃってはいたかも。
それと多分だけど、氷魚くんの声は普通の音量でだと少し声が通りづらい気がしたから、語り部として言葉を発する時に声を張り上げてたんだと思うんだけど、張り上げたせいでセリフに感情が乗りづらくなってた気がして勿体なく感じた。
お金持ちの家の方で言うと、お父さん役の山内圭哉さん、娘役の恒松祐里さんは失礼ながらあまり存じ上げなかったのだけど、自然で良かった。
調べたところ、山内さんは舞台に多く出演されてる方でいらしたから舞台慣れしてらっしゃるのかもしれないけど、恒松さんは今回のが舞台3作品目とは思えない自然さで、舞台上には姿を表さない弟も、本当にいるのが伝わってくるようだった。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
自分的ハイライトは2幕に入って最初の方のシーン。
金持ち家族が弟の誕生日パーティーのために家を空けることで、家主のいなくなった屋敷でパラサイト家族がパーティーをする場面。
特に「YAH YAH YAH」を歌いながら台所から出てくる古田新太さんと江口のりこさん。
このシーン最高。
もはや古田さんは素でもあんな感じではしゃいでそう。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
今度機会があれば、古田さんのいる劇団☆新感線も見れたらと思う。
これまでコメディーものを観劇する機会が殆ど無かったから、がっつりコメディーを楽しむのも良いかもしれない。
そういう意味ではこの「パラサイト」は、コメディー要素もあるスリラー映画であり、この塩梅加減はかなり挑戦的な作品だと実感することが出来た。
公演始まって1週間以上経ったタイミングで今回観劇したけれど、まだ完成途中な感じがしたから是非、千秋楽を観た人の感想を聴けたらと思う。