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大企業サラリーマンが、好きなことのために会社を辞めたら「ベーシックインカム」を得た話(4)

おはようございます。4日目に突入です。

〇A社長との出会い
A社長とは、共通の知人を介して出会いました。知人が、色々と迷走する私に何かヒントになれば、とA社長を紹介して下さったようです。A社長は、家業のスポーツビジネスに従事されている方で、まだ年齢も若いです。

A社長は経営者として会社の成長のために邁進されながらも、地域貢献・社会貢献にも強い関心をお持ちで、産業問わず幅広い人脈をお持ちです。これまで様々な方にお会いしてきましたが、非常にバランスが取れた方という印象です。

そんなA社長とは、3月のある日、昼食をご一緒しました。A社長は社会貢献に関心があるので、話も合ってとても楽しい時間を過ごせました。ふと、「そういえば、あなたは何をしているんだでしたっけ」ということになり、自己紹介も兼ねて自分の取り組みについて説明しました。

一通り私の話を黙って聞いてくださったA社長は、「ぜひあなたの活動を応援したい」と仰りました。それなのに私は、「応援は有難いのですが、困っていると言えば困っているし、困っていないと言えば困っていないし」、となぜか日和ってしまいました。

そんな煮え切らない自分に対し、A社長は「具体的に何かできることはありませんか?」と真っ直ぐな目を向ける。支援される側が、何をぐずぐずしているのか、という話なのですが、堂々と人からの好意を受け取れない、というのは、結局、自分の取り組みに自信がなかったということです。

私の活動も、括りでは社会貢献かもしれないけれど、所詮は趣味の領域でいつでも辞められる、という状況に甘えている限り、社会のためではなくて自分が褒められたいから活動しているんでしょうと言われても文句は言えません。

会社まで辞めて、リスクを取っているとはいいながら、自分の心やマインドセットは、サラリーマンのままで、他人を当てにしていました。先程まで偉そうに社会貢献をぶっていた自分が恥ずかしくなりました。

情けないですが、とりあえず何かを言わないといけません。恥を忍んで、将来に不安を感じている話をしました。

一通りの話を聞いたA社長は、「それならば、私が採用します。ぜひうちに来てください」と一言。私も、思わず、「採用って、その、採用ですか?」と思わず聞き返してしまいました。履歴書も出していないし、自分の活動もしっかり説明できていない状況での内定通知でした。

それに、採用となるのだから、仕事をしないといけません。「仕事は何をしたらいいでしょう、、?」という問いには、「あなたの好きなことをしてください。文化をやりたいなら文化。それ以外がやりたいなら、それ以外でも結構です。会社の仕事は別に何もしなくても大丈夫です。やりたいならどうぞ。」

人生30年ちょっと生きてきましたが、こんな経験はなかなかありません。

ただ、有難い反面、私を採用することのメリットがわかりませんでした。これまでに何人かの経営者から突き付けられた、「私の活動を応援するメリット」を出せるかどうか。そんな私の疑問に対しては「あなたの活動を応援したい、というのもそうですが、会社の社員に刺激を与えるというのも一つの理由です」と答えて下さりました。

実は、その会社での「食客採用」(私の命名)は私で2人目で、1人目の方は数年間在籍した後に卒業され、今では社会で大活躍をされている、とのことでした。「その人も丁度お金に困っていて、一定期間安定した給料があれば大きく羽ばたけそうだったので応援しました。その人がいたから会社の雰囲気も変わりましたし、最終日はみんな泣いていました。」A社長がとニコニコしながら言っているのを見て、私の方が驚いたくらいです。

ただ、「何もしなくてもいい」は申し訳ないので、自分から申し出て、仕事をさせて貰うことになりました。具体的には週に1-2度の午前中をその会社の仕事に充てたいと申し上げました。スポーツ市場の調査や出張の同行、他にも社員の方の家族のキャリア相談等にも挑戦しようと思います。

会社員時代に、「変な仕事を振られないかびくびくしている」とは全然違った心持です。前向きで、晴れやかな気持ちで、仕事に向き合うことができそうです。早くも8月1日が楽しみです。
 
次回からは、具体的にどのような取り組みをしているかについて書こうと思います。

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